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大谷翔平、打っても勝てなかったエンゼルスの6年間…3三振4の0に倒れるも「誰が出ても本当に一生懸命」最高の笑顔

スポーツ報知 2024年10月13日 5時0分

◆米大リーグ・地区シリーズ ドジャース2―0パドレス(11日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャースが11日(日本時間12日)、本拠地での地区シリーズ第5戦でパドレスに勝利。3勝2敗とし3年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。「1番・DH」でフル出場した大谷翔平投手(30)は、4打数無安打も、「みんなでものにした」と喜びを爆発させた。ドジャースは13日(同14日)から、ワールドシリーズ進出をかけ千賀滉大の所属するメッツと対戦する。

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 少年のように目を輝かせた。2点リードの9回2死。ベンチで腕組みをしていた大谷は、打球が三塁へ転がると、フライング気味にグラウンドに出ていった。ゲームセットを確認し両手でガッツポーズをつくって叫んだ。最高の笑顔を見せ「本当に勝てて良かった。厳しいシリーズでしたけどいいゲームだった」。マウンドに小走りで向かうと試合を締めくくった右腕・トライネンに抱きついた。

 求めていたのはこの瞬間だった。試合は、ダルビッシュに3打数無安打に抑え込まれるなど、4打数無安打で3三振。満足のいく結果ではなかった。だが、大谷が飢えていたのは「勝利」。エンゼルス時代の6年間は打っても勝てないもどかしさと闘ってきた。それだけに喜びは人一倍だった。「誰が出ても本当に一生懸命、チームプレーで勝利につなぐんだという気持ちが前面に出てたと思いますし、ロースコアでしたけど、何とかみんなでものにした、そういうシリーズだった」。崖っぷちに立たされた第3戦の後には「後がないという感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOKというゲームだと思う」と強気に前を向いていたが、有言実行してみせた。

 米7年目で初めてたどり着いたポストシーズン。20打数4安打で打率は2割、1本塁打、4打点。満足のいく数字ではない。それでも、第1戦では2回の一時同点3ランで、ワイルドカードから勝ち上がったパドレスの勢いを止め、逆転勝ちにつなげた。第4戦では1―0の2回に追加点となる適時打。逆転突破への流れをつくった。得点圏では4打数3安打の7割5分。大谷が打てば勝つ―。存在感は際立っていた。

 シリーズに入り感情を出すことも多かった大谷。西地区優勝を決めた9月26日以来2度目となる試合後のシャンパンファイトでも、テンションは高かった。全身ずぶぬれになるまで浴びせ合い、インタビューを受けている山本へもお構いなし。思う存分噴射すると、大声を上げながらいたずらっぽく笑った。

 中1日で13日(日本時間14日)からはメッツとのリーグ優勝決定シリーズが始まる。いきなり千賀と対戦する。「初戦が大事だと思うので、まずはしっかりそこに合わせて。今日は勝ってまずみんなで喜んで、次に向けて頑張りたい」。頂点まではあと8勝。まだまだ大谷の挑戦は続く。(安藤 宏太)

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