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出雲駅伝1区「謎ルール」解消で「選手ファースト」 駒大、青学大、国学院大などハイレベルな優勝争い期待

スポーツ報知 2024年10月13日 7時0分

 学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝は14日、島根・出雲市の出雲大社前スタート、出雲ドーム前ゴールの6区間45・1キロで行われる。昨年まで1区(8キロ)の選手はスタート地点ではなくゴール地点で招集点呼を受け、その後にバス移動でスタート地点に向かう必要があったが、今年から招集点呼の場所がスタート地点近くに変更され、選手に負担がかかる直前のバス移動がなくなった。「選手ファースト」の競技運営に改められ、開幕戦のスピード駅伝は、よりハイレベルな好勝負が展開されそうだ。大会2日前の12日、多くのチームが現地に入り、コースをチェックした。

 陸上競技で「コール」と呼ばれる招集点呼は選手の出場確認のために行われ、通常の駅伝では、スタート地点、あるいは中継所の近くに招集点呼の場所が設けられる。しかし、出雲駅伝の1区においては、昨年までスタート地点から約5キロ離れたゴール地点の出雲ドームで招集点呼が行われていた。スタートの55分前に最終の招集点呼が行われた後、約15~20分をかけてバスで移動。選手はウォーミングアップを中断しなければならず、ほぼ全てのチームから不評だった。

 「普段の駅伝と同じ準備ができないので、スタート前のルーティーンにこだわる選手は1区に起用しづらかった」と複数の監督は明かす。これまで出雲駅伝の1区では有力な選手が意外なブレーキをすることが他の駅伝に比べて多かったことは、出雲駅伝1区特有の「謎ルール」が要因にひとつに挙げられている。

 数年前から多くの監督が改善を求めており、よくやく今年から招集点呼の場所がスタート地点の出雲大社近くに変更された。本来の「選手ファースト」となるレースは、よりハイレベルな熱戦が繰り広げられることが期待される。

 昨年大会では駒大が1区から一度も首位を譲らず、完全優勝。前回2区区間賞の佐藤圭汰(3年)は故障から復帰途上のために登録メンバーから外れたが、同1区区間賞の篠原倖太朗(4年)、同3区2位の山川拓馬(3年)、期待のルーキー桑田駿介(1年)らが名を連ね、3年連続6回目の優勝を目指す。

 今年1月の第100回箱根駅伝で総合新記録で圧勝した青学大は、原晋監督(57)が「駅伝男」と信頼する太田蒼生(4年)と黒田朝日(3年)のダブルエースに加え、今季絶好調の鶴川正也(4年)らが順当に登録メンバー入り。年度をまたいだ学生駅伝連勝と、出雲路で6年ぶり5度目の優勝を狙う。

 エースで主将の平林清澄(4年)を中心に勢いがある国学院大、前回2位の城西大、同5位の早大なども優勝を争う力を持つ。昨年大会で創価大は2位でゴールしながら、その後、3区の選手がドーピング違反で失格となったが、吉田響(4年)らを中心に実力があることは確かで上位争いに加わりそうだ。

 14日の出雲市の最高気温の予想は27度。暑さによるトラブルも心配されるが、駅伝シーズン開幕戦にふさわしい熱戦となることが期待される。

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