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早大出身で初の世界奪取 岩田翔吉が2度目の挑戦で戴冠…3回TKO勝ち、1995年度生まれ6人目の世界王者

スポーツ報知 2024年10月13日 17時33分

◆プロボクシング ▽WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定12回戦 同級1位・岩田翔吉―同級2位・ハイロ・ノリエガ(13日、東京・有明アリーナ)

 WBO世界ライトフライ級1位の岩田翔吉(帝拳)が同級2位のハイロ・ノリエガ(スペイン)を3回TKOで破り、世界王座に就いた。右アッパーで先制ダウンを奪取し、一気にたたみかけて最後は左フックで勝負を決めた。22年11月1日にも同タイトル獲得に挑み、王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に0―3の判定負けを喫してから712日。ついに悲願をかなえた。勝利者インタビューで「2年前に負けて、絶対強くなってやろうと思った。腰に世界のベルトを巻けてうれしい。自分の人生をすべてかけた。良かったと思う」とかみしめた。

 1995年度生まれの岩田は、田中恒成(畑中)、比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)、山中竜也(真正)、井上拓真(大橋)、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に続き6人目の日本人世界王者。「同い年の選手たちの活躍っていうのは自分の中で刺激になってますし、励みにもなっています。今回、必ず彼らと同じ世界チャンピオンになれるように頑張りたい」と語っていた通り、同学年のライバルたちに肩を並べた。世代別で並んでいた井岡一翔(井岡)、亀田大毅(亀田)ら88年度組を抜き単独トップとなった(所属はタイトル獲得当時)。

 早大出身選手は高山将孝(ピストン堀口)、三谷大和(三迫)と佐々木基樹(帝拳)が2度ずつ、岩田が1度、世界戦で敗れており6戦全敗だったが、今回、岩田が初めて世界王座に。名門・帝拳ジムの世界王者は14人目。22年6月に尾川堅一がIBF世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王座から陥落して以来の王者誕生となった。

 岩田は東京・日出高(現・目黒日大高)時代に田中、井上に勝ったことがあり、3年時の高校総体を制し早大を経て18年12月にプロデビュー。10戦目で世界戦に挑戦し初黒星を喫した。中村正彦ストレングス&コンディショニング・コーチは「負けて変わった。合宿では持久力が弱く、走り込みでも他の選手から遅れて迷子になるくらいだった。今は自分で階段トレーニングをしたり、自覚が出た」と証言。アマチュアエリートが2年間覚悟を決めて地味な練習にも真剣に取り組み、再起後の4戦連続KO勝ち、ベルト奪取へとつながった。

 小4時に総合格闘家の故・山本KID徳郁さんが主宰する「KILLER BEE(現・KRAZY BEE)に入門。18年9月18日に41歳で亡くなった恩師の七回忌は試合前のため参列できなかったが、「試合が終わったら、お墓に行く予定」と語っており、墓前で世界王者として勝利を報告する。

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