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「何て言われようが勝ちゃいい」日本ハム・新庄剛志監督がサヨナラ勝ち&最終S逆王手呼んだ意外な秘策

スポーツ報知 2024年10月14日 6時0分

◆2024 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第2戦 日本ハム3x―2ロッテ=延長10回=(13日・エスコンF)

 「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」第1ステージ(S)第2戦で日本ハムがサヨナラ勝ちし、最終S進出に逆王手をかけた。9回1死で万波中正外野手(24)の同点ソロが飛び出すと、新庄剛志監督(52)が勝負手で送り出した山崎福也投手(32)が8回から延長10回までを0封。最後は途中出場の浅間が劇打で決め「何なんですかこのチームは! 感動させすぎ」と指揮官をうならせた。

 土俵際で押し返した。負ければ終戦―。新庄監督は「何なんですか、このチームは! 感動させすぎでしょ」とバンザイしながら天を見上げた。延長10回2死一、三塁。最後は7回途中の守備から送り出していた浅間が沢村の151キロを捉えた。自身CS初安打が最終S進出へ逆王手をかける劇打。「選手、すごい。コーチの皆も涙ぐんでた」と大興奮で余韻に浸った。

 9回までビハインド。崖っぷちでチルドレンが救った。1死から万波が「最終打席になるかもしれない。悔いのない打席を」と益田の初球152キロをかち上げた。24歳6か月での一発はプレーオフ、CSを含み球団最年少。エスコン最多3万7638人が総立ちし、指揮官も「『嘘(うそ)やろ…』って。(着弾まで)2分かかった」と震えた大飛球が左翼3階席へ。就任1年目から3年連続100試合以上使って主軸に成長させた“まな弟子”の起死回生の同点弾。「今年を象徴する勝ち方」とシーズンで12球団最多32度の逆転勝ち、同最多10度のサヨナラ勝ちを誇るチームが真骨頂を示した。

 勝負手で流れを呼び込んだ。8回からリリーフで起用したのは今季10勝の山崎。延長12回制の一戦で「13回まで行かせようと思ってた」。自らが熱望してFA獲得した左腕がCS初登板で10回までを無安打無失点。「何て言われようが勝ちゃいい」と第1Sの前から温めていた秘策がハマり、山崎も「幸せでした。信頼してもらっているので」と魂の42球で応えた。

 06年の日本S。初戦を落として沈むナインに「何シュンとしてんの? 明日明日。勝ちまくるよ」と大号令をかけて日本一まで突っ走らせた。無敵の強心臓は今も同じ。王手をかけられ迎えた第2戦で「今年4回任せて4勝してた」と岸マネジャーにスタメン決めを託した。「最後かもしれんから裏方さんもスタッフも全員で戦おうと思って。したら当たりまくり」とニンマリ。CS前には「今後の戦い方次第で完全燃焼させたら『責任を果たした』ってなるかも。やり返したろうと思ったら、またある」と語っていたボス。進退を懸ける3年目。「ここまで来たら楽しむのが一番。明日、悔いのない試合を見せられたら」。大航海はまだ終わらない。(堀内 啓太)

記録メモ 

 ▼…日本ハムが〈2〉戦目に勝利し、1勝1敗のタイにした。3試合制のプレーオフ(PO)とCSの第1Sで、1勝1敗になったのは昨年のソフトバンクに次いで21度目。過去20度のうち、1勝1敗に追い付いたチームの〈3〉戦目は、5勝15敗の勝率・250。日本ハムは、04、15、18年に次いで4度目になる。過去3度はいずれも敗退。今年はどうか。

 ▼…浅間(日)が10回にサヨナラ安打。PO、CSのサヨナラ試合は、昨年最終S〈2〉戦で阪神が広島にサヨナラ勝ちして以来、別表の通り17度目。そのうち日本ハムのサヨナラ勝ちは、09年第2S〈1〉戦の9回にスレッジが満塁逆転サヨナラ本塁打して以来15年ぶり3度目。

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