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自民党は小選挙区で29議席減も自公で過半数上回る 野党共闘の時間与えない早期解散がプラスに…選挙プランナーが衆院選予測

スポーツ報知 2024年10月14日 6時30分

 第50回衆院選が15日、公示される。立候補予定者約1200人が小選挙区289、比例代表176、計465議席を争う。2021年衆院選で自公議席を完全的中させた選挙プランナーの三浦博史氏(73)が各選挙区の情勢を徹底分析。政治資金収支報告書の不記載など「政治とカネ」の問題に揺れる自民党は258議席から29議席を減らし、単独過半数(233)を下回る229議席(自公は計258)と予測した。立憲民主党は98から18増の116議席、日本維新の会は44から47議席とした。

 史上最多となる9人が出馬した自民党総裁選を勝ち抜いた石破茂首相は内閣発足からわずか8日で衆院解散のカードを切った。当初は11月頃の衆院解散を想定しているかのような発言を繰り返していたが、与野党から「君子豹変(ひょうへん)す」、「変節した」と批判の声も上がる。三浦氏は「早期解散に踏み切ったことで野党共闘の交渉時間を与えなかったことは自民党にとってプラス面もあった」と指摘する。

 これまでの新内閣は発足から約3か月は「ご祝儀相場」として支持率は60%を超えている。だが、石破内閣の内閣支持率は50・7%(共同通信)と低調だった。根底には、自民党派閥による「裏金」問題への対応について、有権者の不信感が根強く残っているとみる。問題を起こした議員が出馬する選挙区では逆風にさらされることもあり、三浦氏の予測では自民党は小選挙区で29議席を失う。

 「問題があった議員にどう対応するかの基準がはっきりせず、党内の反発を呼んでしまった。有権者にとっても、処分の基準が分かりにくいものでした」

 石破氏の持ち味は外交や安全保障だが、首相としては社会保障などへの目配せも求められる。経済政策は岸田政権を継承するとしているが、石破氏の総裁就任に市場は敏感に反応し、株価は暴落した。

 「石破さん含めて、党として物価高で苦しむ国民の生活をどう良くしていくのかというメッセージがまだまだ不十分です。ただ、自民党には人材がいますので、ほかの経済通の方々が首相の弱点をカバーしたメッセージを出すことが必要です」

 野党はどうか。第1党の立民は、野田佳彦元首相が新代表となり、一時離れた中間層からの支持を受け、復調すると分析。維新は3議席増、国民民主は5議席増、れいわ新選組は2議席増とした。

 「生活困窮者の方の声を上手に拾い上げているのが、れいわです。かつては公明党、共産党の役割でしたが、今はれいわがその役割を担いつつあり、2議席増の5議席を獲得するでしょう。全体的に野党が勢いを取り戻しています。来夏には参院選も控えます。逆風の中、与党がどこまで踏みとどまれるかが、大きな注目点でしょう」

小選挙区見どころ

 埼玉5区 牧原氏枝野氏に6連敗中埼玉5区 牧原秀樹法相は、立民の枝野幸男氏に6連敗中です。大臣としては初の選挙ですが、どこまで迫れるか。

神奈川 2区の菅義偉元首相、11区の小泉進次郎氏、15区の河野太郎氏は盤石です。20区の甘利明元幹事長は前回比例復活でしたが、今回も激しい戦いになります。

東京 1区は山田美樹氏が若干優勢、立民の海江田万里氏、維新の音喜多駿氏が追います。記載漏れのあった7区の丸川珠代氏、11区の下村博文氏、21区の小田原潔氏、24区の萩生田光一氏は逆風を受けながらの戦いです。

福井2区 総裁選で注目された高市早苗氏の夫、山本拓氏が非公認の高木毅氏と争います。立民、維新も候補者がいて大混戦です。

和歌山2区 二階俊博元幹事長の三男伸康氏と、くら替えした元参院幹事長の世耕弘成氏が激突する保守分裂選挙です。世耕氏の実績、知名度は抜群ですので、有利に戦いを進められそうです。

 ◆三浦 博史(みうら・ひろし)1951年3月24日、東京都生まれ。73歳。慶大法学部卒業後、銀行勤務、議員秘書を経て米国で選挙事情を研究する。89年、選挙コンサルティング会社「アスク」設立。元東京都知事の石原慎太郎さん、北海道の鈴木直道知事、28歳で最年少町長(埼玉・鳩山町)となった小川知也氏らを当選に導く。衆参、自治体選挙で多くの候補者をサポートしている。

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