◆サッカー◇全日本高校女子選手権道予選最終日 ▽決勝 道文教大付3-2北照(13日・帯広の森球技場)
道文教大付が3―2で北照を下し、2年連続28度目の優勝を果たした。2点を先行される苦しい展開が続いたが、今大会3戦9発のFW吉田有沙(3年)の決勝弾で逆転勝ちを収めた。12月29日から兵庫県で開催される第33回全日本高校女子サッカー選手権で4大会ぶりの1勝を目指す。
女王が苦しみながらも大会連覇を達成した。試合終了のホイッスルが鳴ると、涙を流しながら歓喜の輪をつくった道文教大付イレブン。6月のインターハイ予選に続く全道制覇に清野訓靖監督(42)は「自分たちが出せるものをすべて出してくれた。感謝しかない」と褒めたたえた。
時折強風が吹く中、風下となった前半。初優勝を目指す北照に攻め込まれ前半3分に先制点を献上した。さらに同36分にカウンターから追加点を奪われ0―2で前半を折り返した。
想定外の展開となったが、「1個ずつ返していこう」と指揮官から声をかけられ、落ち着きを取り戻した選手たち。風上の後半は4から3バックに変更して猛攻を仕掛け、MF曽部妃加里主将(3年)のミドル弾などで後半開始8分で同点。同26分には吉田有が左サイドの角度のないところから左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。
大会前、3年生が立て続けに負傷離脱した。レギュラー4人を欠くチーム状況だったが、「けがをしている子たちと、一緒に全国でやりたかった」と曽部主将。苦楽を共にしてきた同級生が年末に復帰できることを信じ、逆境をはね返した。
7月のインターハイは1回戦で準優勝の大商学園(大阪)に0―4で完敗。レベルの高さを実感した。全日本高校選手権も第29回大会を最後に勝利から遠ざかっており「目の前の試合を大事にして、一つずつ勝っていきたい」と吉田有。万全の体制を整え、まずは全国1勝をつかみにいく。
(島山 知房)