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【高校野球】父は巨人コーチ…花巻東1年生4番・古城大翔が8強弾…長打への執着捨て「自分が変わればチームも変わる」

スポーツ報知 2024年10月14日 6時30分

◆高校野球◇秋季東北大会 ▽2回戦 秋田商0-8花巻東=7回コールド=(13日・あづま)

 8強が出そろった。花巻東(岩手)は秋田商(秋田)に8―0の7回コールドで初戦を突破。巨人・古城茂幸3軍打撃コーチ(48)を父に持つ大翔(だいと)三塁手が4番に座り、初回にライナー性の強烈な3ランを放つなど4打数3安打6打点と存在感を示した。

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 先制パンチには、十分すぎる一発だった。初回1死一、三塁。花巻東の古城が直球を振り抜いた。打球は低い弾道で左翼芝生席に当たった後、跳ね返ってグラウンドへ。「フェンスに当たったのかと…」。二塁上で一瞬立ち止まったが、審判のジェスチャーに気付くと思わず笑った。高校通算3号となる先制の3ランに「ずっと打てていなかったので、うれしかった」とかみ締めるようにダイヤモンドを回った。

 文句なしの大仕事を果たした。初回の大会第1号だけでなく、3回1死三塁では左前適時打。さらに6回1死二、三塁では2ボール2ストライクと追い込まれながらもコンパクトに振り抜いて左前へ2点適時打と大暴れだった。援護をもらったエース・金野快(2年)はわずか2安打で7回0封。投打がかみ合って初戦を突破した。佐々木洋監督(49)も古城の活躍に「東北大会に来て懐が深くなった感じがしますね」と目を細めた。

 巨人・古城3軍打撃コーチを父に持ち、181センチ、94キロと大物オーラ全開の1年生。今夏は甲子園2回戦の滋賀学園戦でも「4番・三塁」で先発し、2安打で堂々の聖地デビュー。だが得点には絡めず「貢献できなかった」と悔しさが上回った。

 秋に入ると1年生で唯一1ケタ背番号をもらって県大会でも4番に座った。だが、4試合で15打数2安打、打率1割3分3厘。挫折を味うと「根本から自分を変えないといけない」と長打への執着を捨てた。「コンパクトに間を抜く打球を狙う」と意識改革。「自分が変わればチームも変わる」と責任感も増し、東北大会初戦でその成果を披露した。

 「また戻ってくる」と誓い、甲子園の土はあえて持ち帰らなかった。「チームを救う4番として勝利を重ねて、先輩たちと一緒にセンバツに行きたい」。覚醒のきざしを見せたスーパー1年生はチームのためバットを振る。(秋元 萌佳)

 ★秋田商・菅原煌(きら)主将(2年、花巻東に7回コールド負け。4―8で敗れた春季東北大会の雪辱はならず)「今回も負けで。同じチームに2度負けて悔しい」

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