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「次に進みたい」那須川天心、来秋にも世界挑戦へ…アジア王座獲得で陣営“青写真”

スポーツ報知 2024年10月16日 6時0分

 プロボクシングの8大王座戦 (13、14日)に出場した選手が15日、都内で会見した。WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26)=帝拳=は、14日にジェルウィン・アシロ(23)=フィリピン=に大差の判定勝ちで初タイトルを獲得。帝拳ジムの本田明彦会長(77)はこの日、今後2試合を戦い、1年後の来秋、デビュー8戦目で世界挑戦するプランを明かした。“神童”がいよいよ世界へ歩みを進める。

 天心の世界王座奪取へのロードマップが固まった。この日は5人の世界王者の会見後に登壇。「一個の形としてベルトが取れてうれしい。でも、目指しているのはこのベルトじゃない。このベルトの重さを受け止めながら次に進みたい」と、自身も世界の頂点に立つ強い意欲を言葉にした。

 アジア王座を獲得したことで、国内で世界挑戦するための日本プロボクシング協会の内規をクリア。14日の試合後にも「来年中に世界タイトルマッチどうですか。皆さん見たくないですか」と、ファンに呼びかけていた。プロモートする帝拳ジムの本田会長はこの日、「世界まであと2試合。来年2月、6月に(試合を)やって、秋だね」と1年後、8戦目での世界初挑戦の青写真を描いた。

 次戦は東洋太平洋王者でWBC世界8位の栗原慶太(31)=一力=との地域タイトル統一戦の可能性もあるが、流動的だ。あくまで、世界戦への経験を積むことが目的のため、ノンタイトルで世界ランカーと試合する選択肢もある。

 判定となったアシロ戦は、自身から仕掛けて倒す部分での物足りなさを指摘する声もあるが、陣営は転向後5戦目で着実に進化しているという手応えを感じている。さらに経験値を上げるため、12月には天心を米国合宿で鍛え上げる予定。さまざまなタイプの相手とスパーリング中心の実戦練習を積むことになる。

 バンタム級は現在、4団体の世界王者が全て日本人。天心はこの日、「みんなレベルが高くて強い。トータルで何でもできる選手が世界チャンピオン。全てのレベルを上げないといけない」と表情を引き締めた。差を詰める時間は来秋まで1年ある。経験を積み、進化した“神童”が万全の状態で世界戦に臨む。1年後、アジアではなく世界のベルトを腰に巻く。(戸田 幸治)

 ◆天心に聞く

 ―偶然のバッティングでキック時代を含め初流血。

 「(左まぶたは)縫ってはいないです。痛いの嫌なので。2、3日、様子を見て驚異的な回復力に期待します」

 ―鏡を見て。

 「格闘家っぽいなって。試合終わって傷があるのは結構憧れてました」

 ―試合後、顔で売ってると言ってましたが。

 「顔で売ってるって、あそこは笑ってほしかったところ。しーんとしちゃって。顔いいと思ってないですからね」

 ―試合の反響は。

 「素直におめでとうという人もいれば、批判する人も多い。賛否両論」

 ―ベルトは。

 「昨日、控室に忘れちゃったんですよ。(トレーナーの)粟生(隆寛)さんが取ってきてくれた」

 ―初のバンタム級(53.5キロ以下)での試合。

 「調整の仕方も変わる。慣れっていうのも大事かなと思う」

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