ＮＨＫは１６日、旧ジャニーズ事務所（現・スマイルアップ）からマネジメントを引き継いだ新会社「ＳＴＡＲＴＯ ＥＮＴＥＲＴＡＩＮＭＥＮＴ」のタレントの新規起用を再開すると発表した。同日、東京・渋谷の同局で定例会見を行った稲葉延雄会長が明らかにした。
同局では、旧ジャニーズ側が創業者のジャニー喜多川氏の性加害問題を認め謝罪した昨年９月より、新規起用を見合わせていた。稲葉会長はこの１年間、スマイル社、ＳＴＡＲＴＯ社と定期的に対話をしてきたと話し「被害者補償と再発防止の取り組み、両社の経営の分離も着実に進んでいることが確認できた」として起用再開に至ったと説明。「これで終わりではない」と今後もコミュニケーションを取っていくと述べた。
タレントの起用再開は１６日付で、会長会見での発言を受け両社にメールで通知した。出演オファーは「制作現場の判断」になるという。
現状、ＳＴＡＲＴＯ社のタレントの出演するレギュラー番組はなく、新しく編成するにしても来年度以降が濃厚。ドラマもオファーから撮影準備、放送まで時間を要するため、まずは情報番組のコメンテーターや音楽番組での楽曲披露などが復帰の場となりそうだ。
大みそかの「ＮＨＫ紅白歌合戦」についても制作陣は前向きな検討を始めている。稲葉会長は「紅白に向けて判断したわけではないですが、制作現場の判断で契約再開が可能」といい、山名啓雄メディア総局長も「検討の俎上（そじょう）に上がったときには検討する」とコメント。昨年は４４年ぶりに出演ゼロとなった紅白ステージへの復帰が具体性を帯びてきた。