女優の本田望結（２０）が、主演を務めたカーリングに懸ける女子高生たちの青春を描いた映画「カーリングの神様」（本木克英監督、１１月８日公開）で、カーリングに初挑戦した。カーリングの練習には１か月以上励み、「難しいスポーツだと思っていたので、気合が入りました。演じていて楽しかった」と振り返った。（坂口 愛澄）
映画で主演を飾るのは、「ポプラの秋」以来約９年ぶり。台本を手にした時から物語に引き込まれたといい「カーリングをテーマにした、こんなにいい映画に携われるのがうれしくって」とオファーを受けた当時を振り返った。
「フィギュアスケートにも、こんな映画が欲しいなって心から思いましたね。主演だから『こうしなきゃ』『頑張らなきゃ』という気持ちはなく、楽しんで撮影に挑みました。女優さんがカーリング選手を演じるのは、難しいスポーツだと思っていたので気合が入りましたね」
長野県御代田町（みよたまち）にある本州最古の老朽化したカーリング場を舞台に、本田は女子高生・香澄を演じる。撮影に当たって、スケートの練習で使用しているリンクでカーリングの特訓に励んだ。
「フィギュアと違って、ペタッとした運動靴みたいな靴なので、最初は感覚がつかめず、実はみんなよりも後れを取っていました。最初は衝撃的なくらい何もできなくて、想像とは違いました（笑い）。感覚をつかむまで、最初は何度も何度も（滑れるように）オフの日も練習しました。撮影の休憩時間も、みんなが練習して頑張りました」
特にこだわったのは、試合のシーンで「毎日気合を入れて、練習しました」と充実した表情を浮かべ「まとめて撮影するのではなく、毎日少しずつカーリングのシーンの撮影をしてくださったので負担はなく、やりやすかった。ありがたいですね」と感謝を口にした。
ルールもほとんど知らない状態だったが「専門用語を説明するシーンもあったので、しっかり理解するためにアドリブで用語を言えるくらい勉強しました」と明かした。
同作の撮影に挑むにあたり「カーリングの選手が見ても納得できる映画を作り上げたい」と意気込んでいたという。
「完成して自分で見ても、自信を持って届けられます。カーリングのリアルが描かれているので、作品を見て選手の皆さんがどんな感想を持たれるかがとても楽しみですね」
本田は今年、フィギュアスケートを現役引退した姉・真凜（２３）と、本田と同じ事務所に所属する紗来（１７）とともに“本田３姉妹”として注目を浴びていたスケート一家だ。２０１６年の全日本ノービス選手権で６位に入賞するなど実力は十分で、現在もスケートとの両立を続けている。今後の目標は「フィギュアスケートを取り上げた作品に出ること」だという。
「なかなかフィギュアスケートを舞台にするのは難しいと思うんですけど、この作品をやって、さらにその思いが強くなりました。この映画を見ると、やる気が出たり、何かに挑戦したいという思いが芽生えると思うので、世代を問わず多くの方に見てもらいたいです」
４歳で芸能界デビューし、６月で２０歳となった。「大変なシーン、つらいシーンがあっても最後には演じる楽しさがある。本当にお仕事が楽しい」とほほ笑んだ。日テレ系の大人気ドラマ「家政婦のミタ」（２０１１年）に希衣役で出演したことが自身の大きな転機となった。
「やっぱり自分の名前を知ってもらえた作品。今でも『希衣ちゃん』とずっと呼んでもらえるっていうのはすごいことだなって思います。そんな方々に『希衣ちゃんってこんな役柄もできるんだ』と驚いてもらえるように頑張りたいといつも思っています。共演者の方とは、なかなか会えていないので再共演したいです」
同作は、映画館で絶対に見たいようで「お友達の笹野高史さんと行きたいです」と声を弾ませた。
「まだ、二人で映画に行ったことはないので、映画デートしたいですね。きっと自分が出演している映画は、何回も見に行っちゃうと思います。その日が楽しみです！」
◆本田 望結（ほんだ・みゆ）２００４年６月１日生まれ、京都府出身。２０歳。１０年、ＣＭ「ピザハット」で芸能界デビュー。日テレ系連続ドラマ「家政婦のミタ」（１１年）で次女役を熱演し、脚光を浴びる。「ポプラの秋」（１５年）で映画初主演。テレ朝系のスペシャルドラマ「探偵少女アリサの事件簿」（１７年）でドラマ初主演を務める。フジ系連続ドラマ「マルモのおきて」（１１年）、映画「母と暮せば」（１５年）などに出演。
◆「カーリングの神様」 小学生時代に最強と言われ、香澄（本田）らが所属していた、優勝経験もあるカーリングチーム「みよステラ」を再結成し、カーリングの国際大会のエキシビションマッチへの出場を目指す物語。コーチ探しにも苦戦し、仲間と困難を乗り越えながら奮闘する青春スポーツ映画。９９分。