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背景には東日本大震災 じんわりと心に響くファンタジー…担当記者「推しの一本」

スポーツ報知 2024年10月17日 10時30分

◆「最後の乗客」 (堀江貴監督、公開中)

 元AKB48の岩田華怜(26)と話題の自主映画「侍タイムスリッパー」で注目される冨家ノリマサ(62)がダブル主演。東北の小さな街を舞台に、冨家演じるタクシー運転手が深夜、一人の客(岩田)を乗せたことから物語が動き出す。

 作品資料では「感動のヒューマン・ミステリー」と紹介されているが、親子の愛や家族の絆を描いた「心温まるファンタジー」だと感じた。直接の描写はないが、背景には東日本大震災がある。12歳の時、宮城県仙台市の自宅で被災した岩田が迫真の演技を見せ、冨家が包み込むように優しく受け止める。

 仙台で生まれ、南カリフォルニア大学で映画を学んだ堀江監督が「故郷のために」とクラウドファンディングで資金を集めて製作した55分の中編映画。派手さはないが、じんわりと心に響き、身近な人に優しく接しようと思わせてくれる。

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