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「役割を果たしていかないと」巨人・岡本和真がCSにぶつける…欠場21年の悔しさ

スポーツ報知 2024年10月18日 5時5分

◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第2戦 巨人1―2DeNA(17日・東京ドーム)

 感情が爆発した。「よっしゃー!」。一塁ベース上で、岡本和真内野手(28)は絶叫しながら、右拳を力強く突き上げた。。頼りになる4番が一時同点に追いつく中前適時打。重かった扉をようやくこじ開けた。CS最終S2試合目の15イニング目で待望のチーム初得点。魂の一振りで、試合を一時振り出しに戻した。

 集中力を研ぎ澄ましていた。1点を追いかける6回2死二塁。初球だ。「浮いてきた球は積極的にいこうと思っていた」。迷いはなかった。大貫の投じた外角高め137キロカットボールを振り抜き、ライナーで中前へ運ぶ適時打。大舞台でも4番の勝負強さは際立っていた。

 ただ、試合後に笑顔はなかった。「負けたんで意味がないです」。チームは5安打1得点に終わり、2連敗を喫した。「個人の成績はどうでもいい。チームが勝てるかどうかが大事」と常々語ってきたように、チームの勝利を何よりも求める男は、唇をかんだ。

 悔恨の思いをぶつけている。21年はシーズンでは全試合に出場したが、左脇腹痛の影響でCSでの出場はなし。岡本和の不在も響き、チームはCS最終Sで敗退した。「申し訳ないという気持ちがあった」と苦々しく振り返る。当時の経験は今も忘れていない。自身5年ぶりとなる舞台で悔しさを力に変えている。

 心は熱く燃えたぎっているが、頭は冷静に打席に立っている。「短期決戦は誰が打つとか打たないとか関係ない。役割を果たしていかないといけない」。CSに臨む前に固い信念を植え付けた。「俺が俺がという場面と、そうじゃなくて次につないだほうがチームとしていい場面がある。短期決戦では、その選択をいつもよりも強く持ってやる」。状況に応じた打撃を普段以上に徹底。初戦は冷静に2四球を選び、この日は得点圏で甘い球を確実に仕留めた。

 得点力不足に苦しみ連敗となったが、主砲の好調は心強い。チームの大黒柱は切り替えを強調した。「次、勝てるように頑張っていきたいです」。頼もしい主砲が逆転突破の原動力となる。(宮内 孝太)

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