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“ミラ・モン”松本圭佑が中川公弘に2回KO勝ち 3度ダウン奪取で日本フェザー級王座V4

スポーツ報知 2024年10月17日 21時12分

◆プロボクシング ▽日本フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇王者・松本圭佑(2回KO) 同級7位・中川公弘●(17日、東京・後楽園ホール)

 日本フェザー級王者・松本圭佑(大橋)が同級7位・中川公弘(ワタナベ)を下し、4度目の防衛に成功した。

 戦績は25歳の松本が12戦全勝(8KO)、33歳の中川が10勝(5KO)7敗2分け。

 松本は立ち上がり、いきなり攻めてきた中川の“奇襲”に冷静に対応。ジャブを突いて試合を組み立てると、強烈なワンツー。左ボディーを打ち込んだ。試合を決めたのは2回だ。相手が攻めてきたところを打ち返して、右ショートでダウンを演出。立ち上がってきた相手に再びパンチをまとめて、2度目のダウンを奪った。さらに連打から右の強打で倒すと、レフェリーが10カウントを数え上げた。

 「立ち上がり、勢いよく来たのでビックリしたけど、ジャブから組み立てて冷静に行こうと思った。KOしないと、という思いは頭の片隅に置いて、しっかり試合を組み立てた」と松本。2023年4月に日本同級王座を獲得した松本は今年6月、同級8位・藤田裕史(井岡)に判定勝ち。フルマークでの圧勝でV3を決めたが、ダウンも奪えない内容に、大橋秀行会長や父の好二チーフトレーナーから厳しい注文をつけられた。「負けたかのごとく落ち込んだ。ベルト取ってから、強さを見せつけてやろうというより、ベルトを守らなければ、という思いが強くなっているところがあった」という。IBF7位、WBC9位、WBO13位と世界ランキング入りしたことで「保守的になっていた」ともいう。前回の試合が「見つめ直すいい機会になりました」と前を向いた。

 「父親としては勝てば良いと思っている。でも、それでは、世界と言われないなという思いがある。ボクシングの花という、倒そうということをしなければ…」と好二トレーナーはあえて、息子に厳しい態度を取った。その数日後、父は長文のメールで本意を伝えたという。「取り組みの姿勢とか、まじめすぎるのが欠点でもある。口答えをしたことがない息子。怒りたくはないけど、ボクシングは自分一人でリングに上がって、一人で勝利をつかまないといけない。そのためにもケツをたたかないと」と心を鬼にした父の思いを、誰よりも息子は分かっていた。

 デビューからの連勝を12に伸ばした松本は「世界、とは言いたいですけど、小さい頃からボクシングを見てきて、世界は相当強いと分かっている」と、勝利にも冷静に自分の“立ち位置”を口にする。「自分は全体的なレベルの底上げをしたい。周りが世界へのGOサインを出してくれるまでは。チャンピオンカーニバルという場所で完璧な勝ち方をすれば、世界に近づくかもしれない」と、“ミライ☆モンスター”はさらなる高みを目指していく。

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