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CS1号空砲も巨人・岡本は逆転日本S諦めない「まだ決まったわけではないんで。最後まで何があるかわからない」

スポーツ報知 2024年10月19日 5時10分

◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第3戦 巨人1―2DeNA(18日・東京ドーム)

 土俵際に追い込まれたが、巨人・岡本和真内野手(28)は下を向かなかった。痛恨の3連敗で後がなくなった。試合後の東京Dの通路。悔しさを押し殺し、普段と変わらぬ表情で言葉を並べた。「まだ決まったわけではないんで。最後まで何があるかわからないので、頑張っていきたい」。負けられない戦いを見据えた。

 得点力不足にあえぐ打線だが、4番が希望の光となっている。両軍無得点の2回先頭、チームを鼓舞する一発をたたき込んだ。1ストライクから吉野の真ん中高め146キロ直球に反応。「浮いてきたら積極的にいこうと決めていました」。見送ればボールの高さを思いきりよく引っ張った。高々と打ち上げ、左翼席上段への120メートル弾。完璧なCS1号ソロで最終S3戦目で初の先制点をもたらした。3試合で8打数3安打、4四球、2打点。チームが苦しむ中、威圧感を漂わせている。

 抜かりない準備が好調を支える。9月に打率3割5分5厘、6本塁打をマークするなど終盤に調子を上げて、優勝へと導いた主砲。ペナント終了後は実戦機会を求めてフェニックス・リーグに参加する選手もいる中、東京に残ることを決断した。納得がいくまで東京Dで練習に明け暮れる日々。「強度を落とさないように」。全体練習終了から4時間以上過ぎてから帰路につくこともあった。万全を期した2週間が実を結んでいる。

 指揮官からの教えが短期決戦にも生きている。阿部監督が現役だった時に事細かく助言を受けたことを忘れていない。「勝つためにこうするべきとか、試合の流れを読んでやろうということをたくさん言ってもらった。野球について勉強する毎日でした」。試合展開や点差に応じて初球から打っていい場面や、長打を狙いにいく場面などについての考え方を授かった。若手時代から「流れ」を大事にしてきた男は、「流れを呼び込みたかった」と狙い澄ましたように豪快弾。大舞台でも状況に応じた勝負強い打撃が際立っている。

 深刻な得点力不足が続いているが、頼りになる4番がいる。勝負はここからだ。「勝てるように頑張ります」と決意を込めた主将。このまま終わるわけにはいかない。底力を見せる時がきた。(宮内 孝太)

 ◆記録メモ

 巨人は4番・岡本和の本塁打でCS通算50号。前身を含め、プレーオフ、CSで通算50本塁打以上の球団は、ソフトバンク96本、ロッテ61本、西武52本に次いで4チーム目。セでは初(セ2位は中日の36本)。なお、巨人の最多本塁打打者は坂本で7本。この日の岡本和の本塁打は、19年3本以来、CS通算4本目。いずれも4番で打ったもので、巨人の4番本塁打は、阿部慎之助、ラミレスの3本を上回り、岡本和が最多になった。

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