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”自称・天才サラリーマンボクサー”阿部麗也が再起戦で大差の判定勝ちも「天才といいながら凡人」と内容には不満

スポーツ報知 2024年10月18日 22時9分

◆プロボクシング ▽契約体重58・0キロ以下10回戦 〇阿部麗也(判定)川本響生●(18日、東京・後楽園ホール)

 WBC世界フェザー級(57・1キロ以下)8位、IBF世界同級14位の阿部麗也(KG大和)が18日、契約体重58・0キロ以下10回戦で川本響生(吉祥寺鉄拳8)を3―0(98―92、97―93、96―94)の判定で下した。4回から鼻血が止まらなくなった相手に優位に試合を進めたが、仕留めきることはできなかった。「しょっぱい試合になってしまって申し訳ありませんでした」とリング上からファンに謝罪した。

 戦績は31歳の阿部が26勝(10KO)4敗1分け、21歳の川本が7勝(3KO)2敗1分け。

 阿部は3月に米ニューヨーク州ベローナで行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチで、当時、王者だったルイスアルベルト・ロペス(メキシコ)に8回TKO負け。初の世界挑戦後、最初はむなしさを感じたというが、試合から1週間後にはジムワークを開始。再起へ動き出した。初の世界戦で技術やスピードだけでなく、パワーや体の強さの大切さを痛感。「自信や生物学的な強さが必要。ロペスとの試合でそれを学んだ」。普段は自動車部品などを製造するプレス工業で働きながら、フィジカルトレーニングに割く時間を増やした。

 ボクシングスタイルも自身の武器であるスピードを生かしながら、強いパンチを打ち込む練習を行ってきた。「徐々に形になっている。そういうのも見せられたら」と18日の試合で”シン・阿部麗也”を披露することを宣言していた。だが、「強いパンチを当てることを意識しすぎた」と相手のスピードについていけない場面があったことを反省した。

 世界を目指すための再スタート。「再起する以上、やっぱ阿部さん復活っていうのを見せなきゃいけない。崖っぷち。ここから一戦一戦、本当に負けられないのもそうだし、アピールしていかないと。また世界の舞台を目指すわけなんで」と内容にもこだわっていたが、満足いく結果とはならなかった。

 それでも、勝利で次へとつなげた。「天才と言いながら凡人なんで、練習して、進化する姿を見てもらいたい。阿部さんの最終章なんで」。この日と計量が行われた17日は有給休暇を取った「自称・天才サラリーマンボクサー」が再び世界の頂点を目指す。

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