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【高校野球】札幌南が11年ぶり8強…決勝打は医者志望・斎藤遼平のミラクルな“2度打ち”

スポーツ報知 2024年10月19日 6時30分

◆第77回秋季全道高校野球大会 ▽2回戦 札幌南5―3函館大柏稜=延長10回タイブレーク=(18日・プレド)

 2回戦3試合が行われた。札幌南は函館大柏稜に5―3で逆転勝ちし、11年ぶりの8強入り。タイブレークに突入した延長10回に医者志望の5番・斎藤遼平三塁手(2年)がラッキーな適時内野安打を放ち、決勝点を奪った。

 ミラクルな“2度打ち”で勝負が決まった。延長10回2死二、三塁。札幌南・斎藤が打ち上げた打球は投手と捕手の間に落ちた。回転のかかった球は、誰も触れずに一塁側ファウルゾーンに向かって転がった。「正直、アウトになったと思いました」。諦めかけながら一塁へ走り出していたが、ファウルライン付近へ置いたバットに当たった末に、フェアゾーンで止まった。適時内野安打となり、決勝点が生まれた。

 拾い続けてきた“運”が味方した。2週間ほど前から全体練習が終わった後も最後まで残って「運を引き寄せたい」とグラウンド周辺に落ちている球拾いを続けてきた。雑草の中で雨風に当たり、ボロボロになった球を一球一球集め「ベンチに戻って冷静になって振り返ってみると、そのおかげだなと思いましたね」とはにかんだ。

 2度リードを許す苦しい展開も、チーム全員の力で奇跡的な決勝打につなげた。2―3の8回は2死一、三塁から代打・和田温陽(はるひ)外野手(1年)が同点打。2得点に絡んだ7番・宮慶慈中堅手(2年)が負傷退場するアクシデントもあったが、20人中16人が出場する総力戦で、秋全道11年ぶりの白星を手にした。00年夏の甲子園出場時の主将で、18年から指揮を執る田畑広樹監督(42)にとっては道大会初勝利。「OBの顔を見るとグッとくるものがありました」と目を赤くしながら、定時制も含めて1000人以上の全校生徒が駆けつけたスタンドに向かって拳を突き上げた。

 秋全道の最高成績は09年の準優勝。同年以来の4強入りを懸けて駒大苫小牧―旭川志峯の勝者と対戦する次戦(20日)に向け「(準々決勝も)打ち勝つ。最終目標は優勝」と斎藤。将来は医者になり、過疎地域の病院で人助けをするのが夢だという“秀才ラッキーボーイ”が、再びバットでチームを救う。

(島山 知房)

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