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【高校野球】聖光学院 センバツ当確…1番・芳賀巧左翼手が2安打1打点、先発・大嶋哲平は1失点で公式戦初完投

スポーツ報知 2024年10月19日 6時30分

◆高校野球◇秋季東北大会 ▽準決勝 聖光学院7―1山形中央(18日・ヨークいわき)

 準決勝が行われ、聖光学院(福島)が山形中央(山形)に7―1で快勝し、3年ぶりの決勝進出で来春のセンバツ甲子園出場を“当確”とした。今大会初スタメンとなった1番・芳賀巧左翼手(2年)が3打数2安打1打点とチームを勢いづけた。第2試合の花巻東―青森山田は、1回表で強雨のため継続試合となった。それに伴い、継続試合は19日午前10時試合開始、決勝は20日午前10時試合開始となった。

 地元・福島の地で春の聖地への道をつくる大きな勝利をつかんだ。投げては先発・大嶋哲平(2年)が1失点で公式戦初完投、打っては12安打7得点とがっちりと投打がかみ合い、3年ぶりの決勝進出。斎藤智也監督(61)も「秋の段階で言えばいい感じの仕上がり。想像以上に対応していて、褒めてやらなきゃいけない試合かな」と評価した。

 勢いをもたらしたのはリードオフマン・芳賀の迷いないスイングだった。今大会初スタメンに「大胆に勢いよくいきました」と第1打席は初球の直球を捉えて左前打を放った。3回は四球を選んで先制の好機を広げると、4回も2死二塁から左中間を割る適時二塁打で貢献。6回も四球を選んで3打数2安打1打点と仕事を果たし「皆の緊張をほぐして、流れを持って来られた」と笑顔で振り返った。

 9月下旬、練習中に腰椎分離症を発症。痛みのあまり倒れ込むほどで、約2週間の安静期間を取った。「できることをしよう」と練習のサポートをしつつ外からチームを見つめたことで「県で優勝して達成感が大きくなってしまった」と精神面の緩みにも気づき、東北大会に向けて引き締め直すきっかけにもなった。

 全力でバットを振れるようになったのは2日前だったが、指揮官も「じだんだを踏む思いをしてきた分、よく振れていた。芳賀を使わないと、やつに悪いと思うくらい良かった」と福島県大会3回戦の会津戦以来、約1か月ぶりのスタメンに抜てき。芳賀も「ここまで勝ち上がってつないでくれた仲間のために貢献したかった」と人一倍強い思いで期待に応えた。

 聖光学院にとって、地元開催の東北大会はセンバツへの「縁」がある。06年以降、12、17年と直近の福島開催時にはすべて決勝進出(06、12年は準優勝、17年は優勝)で翌年春の聖地への切符をつかんでいる。斎藤監督は「福島開催なら絶対に負けないぞと。歴史も物語っているし、験担ぎじゃないけれど自分たちにも暗示を掛ける。これも一つの戦法ですね」と笑う。

 3年ぶりの春の聖地への切符は濃厚となったが、チームが目指すのは東北の頂点に立ち、明治神宮大会に出場することだ。芳賀も「次に勝ってこそだと思う。ここはまだ通過点なので、集中力を切らさずに挑みたい」と満足しない。力を発揮できる最高の地・福島で、今回も聖光学院が強さを証明する。(秋元 萌佳)

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