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「反省しろよ、自民党。反省しろよ、平沢。だけど、やっぱり、平沢」勝栄氏、東京11区で頭さげ演説

スポーツ報知 2024年10月21日 6時50分

 自民党の派閥裏金事件を巡り、非公認となった2人のベテラン議員が大逆風の中での選挙戦を余儀なくされている。東京11区の下村博文氏(70)と同17区の平沢勝栄氏(79)は、ともに1994年以降導入された小選挙区選挙で9戦全勝中。都内選挙区ではこの2人だけが「無敗の男」だが、今回は公認を得られず、初めて無所属からの出馬に。圧勝してきた過去9回とは異なり、十分な支援を受けられず、必死の形相で支持を訴えている。(中西 珠友)

「私はいろいろ問題がありました。皆さん方の気持ちを裏切らないように、これからもやっていきたいと思います」。500人以上の支援者が見守る中、10回目の当選を目指す平沢氏は立石諏訪神社(東京・葛飾区)で行った第一声で、自らの非を振り返った。

 「反省しろよ、自民党。反省しろよ、平沢。だけど、やっぱり、平沢。どうぞ応援してください」。尊敬する石原慎太郎元東京都知事が使っていた選挙のキャッチフレーズを引っ張り出し、頭を下げた。

 寝耳に水の「非公認」だった。二階派だった平沢氏の政治資金収支報告書の不記載額は1800万円を超え、党役職停止1年の処分を受けた。総裁選では石破首相に投票、これまでの実績も考慮され、公認は出るとみられていたが、「政治とカネ」への批判は収まらず、非情の処分を受けた。陣営関係者は「下町の厚い情がある。情に支えられて戦っていくしかない」と吐露した。

 自民党の中でも選挙の強さは群を抜く。過去9回の衆院選小選挙区で全勝した議員は全国で14人。うち浮動票が多いと言われる東京の選挙区で負けなしは平沢氏と下村氏だけ。ライバル候補の比例復活を許したことは過去1回しかない圧勝劇を続けてきた。

 非公認になったことで重複立候補はできず、政見放送もなし。選挙ビラは減らされ、ポスターも公営の掲示板にしか貼ることはできない。党からの公認料も出ない。

 それでも、戦術は変わらない。「SNSよりフェーストゥフェース」。警察庁時代から50年以上続けるサウナでは、裸の付き合いを通じ住民との距離を縮め、区内の祭りやイベントにも必ず顔を出す。演説は通勤時間に重点を置き、支援者へのあいさつ周りを中心に進める。公認はなくても地元区議、区長らが支え、スタッフも長年支えた知人らが集う。

 大逆風の中での選挙戦。平沢氏はしみじみと語った。「やはり下町(の人)はこういった厳しい時に応援に駆けつけてくれて、励ましてくれる。それが下町のいいところだな、と」。

 ◆東京17区(葛飾区)

猪口  幸子 68 維 新

新井  杉生 65 共 新

円  より子 77 国 新

平沢  勝栄 79 無 前

【注】届け出順。年齢は投開票日

◆国民・円より子氏は「政治の信頼戻す」

 東京17区は4人が立候補する。平沢氏を追う国民・円より子氏(77)は、参議院議員として民主党の副代表などを歴任。初当選した1993年もリクルート事件(88年)の後で、今回同様、国民は政治不信に陥っていた。その中で衆院選に立候補。「こんな政治だったら投票に行くの嫌だわという人が周りに多い」と訴え、「政治への信頼を取り戻さなければ」と声を上げた。

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