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J2清水 また昇格お預け…FW北川が先制弾も今季ホーム17戦目で初黒星…秋葉監督「フットボールは甘くない」

スポーツ報知 2024年10月21日 6時50分

◆明治安田J2リーグ ▽第35節 山形2-1清水(20日・アイスタ)

 清水エスパルスは山形に1―2で敗れ、今季ホーム17戦目で初黒星を喫した。後半30分、FW北川航也(28)の2戦連発で先制。だが5分後に自陣右サイドを突破され同点ゴールを浴び、同42分に勝ち越し点を許した。逆転負けは今季初。勝てば自力で決められた昇格と、首位奪回の好機を逃した。27日のアウェー・栃木戦に勝てば2位以上が確定する。

 お祭りムードはいつの間にか霧散していた。気温17・9度。冷たい風が吹きつける本拠に重い雰囲気が漂う。昇格を信じ、今季アイスタ最多となる1万8284人が駆けつけたが思い通りの結果は届けられなかった。49歳初陣で苦杯をなめた清水・秋葉忠宏監督は「フットボールは甘くない。簡単に昇格させてもらえないことを痛感する」とぼやいた。

 勝ち点3は目前だった。後半30分、MFカルリーニョスジュニオの右足シュートがGKに当たってこぼれ、すかさず詰めた北川が右足を振り抜く。「うまく転がってきた。先制点を取れたことは良かった」。先制するのは4試合ぶり。今季12号のエースはオレンジに染まるスタンドへ突っ走り、仲間と歓喜の輪をつくった。

 だが、わずか5分後に暗転した。同35分、ロングボール1本で背後を取られ、最後は走り込んだFW高橋に同点被弾。「(得点直後で)気をつけようと言っているところで失点している」と秋葉監督は渋い表情で振り返る。10分先行して開始していた3位の長崎は秋田に2―1でリードしており、清水が昇格を決めるには勝利が必須となっていた。

 指揮官は同40分、FWタンキ、MF西沢ら一気に3枚のカードを切って勝負に出るも、その2分後、FKからFW後藤優に頭で押し込まれ失点。22年まで清水に在籍した元同僚に痛すぎる“恩返し”を食らった。シュートも相手の3倍近い17本放ちながら北川の1点だけ。「今日は悪いものが全て出た」と監督が言えば、MF乾も「去年と変わってない。情けないですね」と首を振った。

 前日(19日)に横浜FCが敗れていたため、首位奪回の好機でもあったが2位のまま。北川は「優勝を追う姿勢はブレてはいけない」と顔を上げた。幸い、王手は変わらず“次節勝てば”の状況で敵地・栃木戦(27日)を迎えることになる。偶然にも敵将は前回昇格時に清水を率いた小林伸二監督(64)。かつての恩師の眼前で、J1への切符をもぎ取ってみせる。

(武藤 瑞基)

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