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札幌山の手が男女そろって優勝…女子はバスケ部からの助っ人と初出場での快挙…全道高校駅伝

スポーツ報知 2024年10月21日 8時10分

◆陸上 ◇全道高校駅伝 (20日、滝川市特設駅伝コース=男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)

 女子は札幌山の手が1時間11分23秒で初出場Vの快挙を達成した。2区・石川蘭(3年)が区間賞でトップに浮上。3区のケニア人留学生ニヴァ・チェプテンゲニー(1年)も区間賞の快走で引き離した。今年から全国大会の出場枠が男女各「2」に増え、2位の旭川龍谷も9年連続の全国切符を獲得した。男子も札幌山の手が2時間5分14秒で6連覇し、アベック優勝。2位の東海大札幌は27年ぶりの全国出場を決めた。

  第40回を迎えた大会で実績ゼロのチームが快挙を成し遂げた。人さし指を突き上げてゴールテープを切った札幌山の手の渡辺栞弓(しき、1年)は「(主将の)石川さんを全国に連れて行くことが目標だった。みんなの思いをつないで走ることができた」と笑顔満開。室蘭大谷以来22年ぶりとなるアベックVで感激は二重に膨らんだ。

 生まれたてのチームだ。女子の長距離選手は石川蘭(3年)だけだったが、全国中学女子800メートル覇者に憧れて今春、道内トップレベルの宇都宮桃奈と渡辺が入学。さらにケニア人留学生チェプテンゲニーも加わった。有望選手が複数になったことで、梶山一樹監督(52)は駅伝チーム結成を決意。男子との合同練習で力をつけてきた。

 足りないピースはバスケットボール部に助っ人を要請した。この日は会場近くに実家がある山下瑠花(2年)が4区を任され、庭のようなコースで区間3位と健闘。首位をがっちり守った。

 入学当初は「駅伝に出られると思っていなかった」という石川も、仲間と走れる喜びがはじけるように3区で区間賞の激走。「後輩が入ってくれたおかげ。バスケ部も頑張ってくれた。関わってくれた全ての人に都大路で恩返ししたい」と新たな歴史に挑む決意を示した。(石井 睦)

 ○…男子・札幌山の手はエース区間の最長1区(10キロ)で林柚杏(2年)が区間賞の快走。1度もトップを譲ることなく、過去最高タイムで6年連続15度目の優勝を決めた。3区を担った竹中友規主将(3年)は「女子が(優勝で)いい流れをつくってくれた。行くぞ!という気持ちで臨めた」と感謝。全国で同校の過去最高順位は17年の7位入賞で、「6位以上」を目標に掲げた。

 ○…旭川龍谷 主将の藤田柚希(3年)が大けがを乗り越え3区2位の激走を見せた。5月の大会前にテントの設営を手伝っている際、鉄柱が倒れて頭部直撃。「あと1センチずれていたら命も危なかった」という頭蓋骨骨折の重傷を負った。一時は寝返りさえも打てなかったが、6月に練習を再開。不安も払拭して戦列に復帰した。連覇は8でストップしたが、2位で全国切符は確保。「走れる喜びを改めて感じるようになった。都大路では思い切って走りたい」

 ☆東海大札幌・伊勢稜平主将(3年=男子2位で27年ぶりの全国切符)「自分たちの代は力がないと言われてきたけど、めげずに練習してきた。都大路では粘り強いレースをしたい」

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