歌手・美輪明宏(89)が、25日放送のNHK Eテレ「美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室」(午後10時)に出演。長女に裏切られたと訴える女性から相談を受けたが、あえて解決策を示さなかった。
同番組は美輪が相談者のモヤモヤに耳を傾け、珠玉の言葉を紡ぐ相談室。この日は長女に裏切られたという女性が登場。「起きたことがいまだに信じられない」と悩みを打ち明けた。
女性の夫が他界すると「世話をする」と自宅に長女が来た。だが暴力、暴言の数々に、次女の元に避難すると長女は自宅から宝石、時計を持ち去り音信不通になったという。この状況に美輪は「ただの憎しみじゃないですね? お分かりにならない」と質問。それでも女性が「宝物のように育ててきたのに…。わけが分からない」と困惑。そして「許すことはないです。家族の縁も切れます」と言うと「それで正解じゃないですか」と美輪も返答した。
さらに美輪は同席した次女にも質問。すると「姉は『愛されたかった』とよく言ってました」とポツリ。次女は体が弱く子ども時代から入退院を繰り返し、「姉はさみしさを勉強で紛らわせていた」と語った。すると美輪は「(長女は)あなたに母親を取られたと思った。自分のことは誰も見てくれない、それを恨んでるんでしょうね」と指摘。また長女は夫の浮気が原因で離婚、心に傷を抱えながら子育てをしていたという。相談者の女性はシングルマザーでも子どもに留学をさせよう考えていた長女に反対したという。
ここまで聞くと美輪は「そこいら辺がお姉さんの心証に影響を与えたんでしょうね」と返した。すると「え、えっと何ですか!?」と戸惑う女性に、美輪は「お分かりにならない? いたわったりとかやってくれなかったというのが、マイナスの価値となって根付いちゃったんじゃないでしょうか」と説明すると、「もうどうにもならないんだから、さっぱりとキレイに忘れちゃって。なかったものと考えていただいた方がよろしいんじゃないでしょうかね」と相談者を納得させる解決策はあえて示さなかった。「こういうときにこそ文化ですよ。トラブルが起きたときに忘れさせたり建設的なものに振り替えさせる。そういう力があるのが文化です」と諭していた。