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サヨナラ発進9チーム中8チームが世界一…大谷翔平、夢へグッと近づいた フリーマン逆転サヨナラ満弾に「最高の勝ち方」

スポーツ報知 2024年10月27日 4時0分

◆米大リーグ ワールドシリーズ第1戦 ドジャース6×―3ヤンキース=延長10回=(25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が25日(日本時間26日)、ワールドシリーズ(WS)第1戦、本拠地・ヤンキース戦に「1番・DH」で出場。8回にWSでは日本人10年ぶりの安打となる右翼フェンス直撃二塁打を放ち、同点劇を演出した。43年ぶりの東西名門対決。初戦から延長に入り、F・フリーマン内野手(35)のWS史上初の逆転サヨナラ満塁弾でド軍が先勝した。第2戦は日本時間27日の午前9時8分に開始する。

 叫び、笑い、大谷は歓喜の輪に駆け出した。1点を追う10回。1死一、二塁で左邪飛に倒れたが、好捕した左翼手がそのまま三塁側スタンドに飛び込んだため、走者にそれぞれ進塁権が与えられた。結果、一塁が空きベッツが敬遠され、満塁。「MVPトリオ」の“長男”フリーマンの逆転サヨナラ満塁弾につながり、大谷も興奮を抑えられなかった。

 「最高の本塁打で、最高の勝ち方を1戦目に持ってこられたんじゃないかなと思います」

 劇的な勝利を呼び込んだのは大谷だった。1点を追う8回1死。ケンリーの甘く入ったチェンジアップを捉えた。打球速度113・9マイル(約183・3キロ)で右翼フェンスを直撃。飛距離378フィート(約115メートル)。データサイト「ベースボールサバント」によると、ヤンキースタジアムなど4球場なら本塁打だった二塁打は14年の青木宣親(ロイヤルズ)以来、日本人選手では10年ぶりとなるWSでの安打となった。同デビュー戦での長打は08年の岩村明憲(レイズ)以来、2人目の快挙。送球エラーが絡み三塁まで達すると、ベンチに向かって両手を振り上げ「カモーン!」と絶叫し、続くベッツの中犠飛で一時同点の生還を果たした。

 「1死で三塁まで行けたのは大きかったなと。いい打席だったんじゃないかなとは思います」

 試合前からテンションは最高潮だった。投手リハビリのキャッチボールに初めてキャッチャーミットで登場。世界一を“つかみ捕る”という意図があったかは不明だが、昨年9月の右肘手術以来、報道陣の前では最長の80メートルの遠投を披露した。最後に客席にボールを投げ入れるのは恒例だが、この日は白球を持った右手を向きを変えながら4度突き上げ、“フェイント”を連発した末にプレゼントする大サービス。前日会見では「なるべく冷静に」と話していたが、練習中にはほとんど見せたことのない姿でいつもと違うことが明らかだった。

 「大谷VSジャッジ」の世紀のWSはジャッジが3三振と好機で凡打。第1戦から明暗が分かれた。サヨナラ勝ちで発進した過去9チームは8チームが世界一に輝いており、夢の実現に大きく近づいた。試合後、テレビ局のインタビューを受けた後もフリーマンの取材が終わるのを待っていた背番号17だが、クラブハウスに戻ると、普段通り10分ほどで即帰宅した。「この流れを明日に持っていけるように頑張ります」。頂点まであと3勝。この緊張感を味わい尽くす。(中村 晃大)

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