巨人・大勢投手（２５）が２８日、「ラグザス ｐｒｅｓｅｎｔｓ 第３回ＷＢＳＣプレミア１２」（１１月９～２４日）に出場する侍ジャパンの事前合宿（２９日～１１月６日）に備えて宮崎入り。故障で出場辞退した同僚の岡本和の分まで躍動し、大会ＭＶＰに輝く決意を明かした。またＮＰＢエンタープライズは同日、プレミア１２に出場する侍ジャパンの変更メンバーを正式発表。岡本和ら４選手が辞退し、代わりに巨人・井上温大投手（２３）らが代表入りした。
先輩の分まで―。大勢は侍ジャパンの合宿地・宮崎へ向かう飛行機に乗る直前、ハッキリとした口調で意気込みを示した。「和真さん（岡本）がプレミアに出るのを楽しみにしていたので。和真さんの分も、ホームランを３本打ってＭＶＰ取ります」。冗談も交えたが、左第五腰椎分離症で出場辞退となった岡本和とＭＶＰへの思いは十分だ。
昨年のＷＢＣで世界一の喜びを分かち合った２人は、巨人で４番と守護神として今季のリーグＶに貢献。主砲の出場への意欲は、本人からも周囲からも聞いていた。だからこそ、無念の思いを背負い戦う。「海外の選手と勝負できるいい機会。日本の野球は素晴らしいと他の国にも広げていけるようにしたい。それには、優勝が一番いいんじゃないかなと思う」。守護神最有力候補として３本塁打級…もしくはそれ以上の働きに期待がかかる。
自チームでは２１日までのＣＳ最終ステージでＤｅＮＡに敗れ、日本シリーズに進出できなかった。自身は３登板で計３回無失点、２セーブを記録。今季初の３連投をするなど、死力を尽くした。「まだ全身全霊で気持ちを向けるというか、切り替えることができていないぐらい悔しかった」と率直な心境を明かす。ただ、「しっかりチームの勝利に貢献したい。ＭＶＰを取りたいなと思います」と再び宣言したように、その悔しさも侍でぶつけるつもりだ。
今回の侍ジャパンでは、同僚の戸郷、井上やＷＢＣでともにプレーした中日・高橋宏もいるが、初めて共闘する選手の方が断然多い。「短い期間なので、コミュニケーションをしっかりと取っていきたい。すごいピッチャーがたくさんいるので、何か吸収して、見て学んで、今後の野球人生につながるいい時間にしたい」。一丸となり、世界一へとにかく役割を全うする。（田中 哲）