阪神・藤川球児監督(44)が28日、今季4勝止まりの伊藤将の復活に太鼓判を押した。甲子園の秋季練習でブルペン投球を見守り、「解説で見て今年の春の状態を覚えていたんで、全然違う。来年はいい活躍をするんじゃないですかね」と目を細めた。
理由はこの日も助言した通り、押し出すように投げる悪癖が改善され、本来の低めの制球力を取り戻しているからだ。過去に2ケタ勝利を2度挙げた左腕も「上に投げている感じだったんで」と修正に手応えを示し、秋季キャンプ中の紅白戦登板に意欲を見せた。ドラフトでは即戦力左腕のNTT西日本・伊原が1位指名されたが、負けてはいられない。
指揮官は西純ら若虎には“頭でっかちになるな”と警笛も鳴らした。トラックマンなどのデータや技術向上の情報を得やすい現状を踏まえ、「機械とかで計れないところがある。本当の根本が大事」と、基礎練習の反復の重要性を力説。あらゆる選手に原点の大切さを再認識させ、鍛錬の秋へと導く。(小松 真也)
〇…来季、球団フロントに入る岡田前監督が、監督退任後初めて兵庫・西宮市の球団事務所を訪れた。到着時に藤川新監督と偶然対面して笑顔で言葉を交わすと、クラブハウス内でバイクトレーニングを行うなど約1時間滞在。CS第1S前に体調を崩し、その後も回復せずシーズン報告や退任会見を取りやめて静養を続けていたが、球団関係者は「見ての通り元気です」と現状を説明した。