オリックスにドラフト1位指名された富士大の麦谷祐介外野手(22)が岩手・花巻市の同校で指名あいさつを受け、球団OBのイチロー氏(51)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=を目標に掲げた。担当の岡崎スカウトは「3割30本30盗塁できる」と期待。日米通算4367安打の金字塔を打ち立てたレジェンドが一度も成し得なかったトリプルスリー達成に太鼓判を押した。
同席した福良GMも「走攻守すべてに期待」と評価する三拍子そろった即戦力。憧れは「自分が名前を挙げるのも申し訳ないくらい」と語るイチロー氏だ。ヒットシーンを集めた動画など「オリックス時代の活躍もずっと見ていた」と語り、「本当に素晴らしい選手。少しずつ追いつきたいです」と、偉大な背中を追う意気込み。終始緊張した様子だったが、「1年目からレギュラーをつかんでほしいと言っていただいたので、胸に刻んで練習していきたい」と決意を口にした。
今年1月に初めて麦谷を見たという岡崎スカウトも「華があって、勝負師の目でした」と、スター性を称賛。「自分のプレーを貫いて突き抜けて、今の外野陣に火をつけてほしい」と起爆剤としても期待を寄せた。「まずは開幕一軍、そしてレギュラーを目指す。自覚と責任を持って、ファンから愛される選手になりたい」と麦谷。トリプルスリーを目指し、イチ流への階段を上る。(秋元 萌佳)
〇…オリックス3位の仙台育英・山口廉王投手(18)も、宮城・多賀城市内の同校で指名あいさつを受けた。「最多勝投手を目指したい」と目標を掲げた193センチの長身右腕を、小松スカウトは「出力時の爆発や力強さにひかれた」と評価。「新しい風を吹かせてくれると確信している」と期待を込めた。同席した同校の須江航監督も「高卒選手が多く活躍しているチーム。先輩から吸収して一日でも早く戦力になれる取り組みをしてほしい」と、活躍を心待ちにした。