◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース6―7ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、ドジャースが7-6で勝って4勝1敗でヤンキースを倒し、20年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。大谷はメジャー7年目で初めて出場したポストシーズンで一気に頂点まで駆け上がり、山本由伸投手(26)は、メジャー1年目にして歓喜の瞬間を迎えた。
レギュラーシーズンで全30球団で最多の98勝を挙げ、ポストシーズンも勝ち上がってワールドシーリーズも制覇するという圧倒的な強さを見せたドジャース。ポストシーズンには12年連続で進出し、3年連続地区優勝、直近12年で11度の地区優勝、5年で2度のワールドシリーズ制覇と、チームとしての全盛期を迎えているように見えるが、今季は大型補強が成功したことが最大の要因だっただろう。
もちろん昨オフ最大の補強の目玉は、10年総額7億ドル(約1022億円)の大谷、12年総額3億2500万ドル(約465億円=ともに契約発表時のレート)の山本と、メガ契約を結んだ日本人2人だった。さらに外野手のT・ヘルナンデス、投手のグラスノーらを積極的に補強。ユーティリティーのE・ヘルナンデス、ベテラン左腕・カーショーの引き留めに成功し、捕手のスミスとは33年までの10年総額1億4000万ドル(約211億円=契約発表時のレート)で契約を延長した。
大谷は二刀流こそ封印したが、54本塁打、130打点の2冠王で、打率3割1分、59盗塁もリーグ2位という圧巻の成績をマーク。山本は右肩痛で約3か月間の離脱があったが、7勝を挙げてポストシーズンでも2勝2敗だったパドレスとの地区シリーズ第5戦、ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦では好投を見せてチームを勝利に導いた。グラスノーはポストシーズンには登板出来なかったが、レギュラーシーズンでは9勝でエース格の働き。T・ヘルナンデスは、自己最多33本塁打を放つなど、勝負強い打撃で4番に定着して、オールスター前日の本塁打競争では優勝した。
さらにシーズン中のトレードでも有効な手を打った。タイガースから加入した先発のフラーティは、後半戦からポストシーズンにかけてはエース格の働き。カージナルスから加入したエドマンは、メッツとのリーグ優勝決定シリーズでMVPに輝く大車輪の活躍を見せた。ホワイトソックスから加入した救援のコペックもブルペン陣の柱。チームの穴をいち早く埋めるフロントの力が光った1年でもあった。