◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース6―7ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、ドジャースが7-6で勝って4勝1敗でヤンキースを倒し、20年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。大谷はメジャー7年目で初めて出場したポストシーズンで一気に頂点まで駆け上がり、山本由伸投手(26)は、メジャー1年目にして歓喜の瞬間を迎えた。
レギュラーシーズンで全30球団最多98勝を挙げたドジャースだが、ポストシーズンの前評判は決して高くなかった。グラスノー、ストーンと先発陣が相次いで離脱し、右足首捻挫のフリーマンの状態もギリギリだった。さらに地区シリーズで対戦したパドレスは同地区のライバルで強烈な対抗心を燃やし、レギュラーシーズンの後半戦で最高勝率をマーク。ワイルドカードシリーズでブレーブスに2連勝して勢いに乗っていた。
そんなポストシーズン初戦だった第1戦の先発に抜てきされたのは山本。だが、初回にマチャドに2ランを浴びるなど3失点し、本拠地ながら、完全にパドレスペースになりかけていた。シリーズの流れをパドレスがつかみかけていた。
だが、山本を救い、チームを救ったのは大谷のバットだった。3点を追う2回2死一、二塁の2打席目に右翼席へ同点の3ラン。一振りで試合を振り出しに戻した。結果的にチームは逆転勝ち。大谷も試合後には「まず初戦を取れたことはみんなで大いに喜ぶべきですし、明日にまたいい勢いを持っていきたいなと思います」と話していた。間違いなく大谷の一打がチームに勢いを与えた。
ドジャースは22年から2年連続で地区シリーズで敗退。ポストシーズンでの弱さが指摘されていたこともあり、第1戦で敗れていたら、3戦先勝の地区シリーズでは一気にのみ込まれていた可能性も高い。頂点に立ってありがたみが分かる、大谷のポストシーズンデビュー戦での2打席目だった。