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山本由伸が見た3度の地獄…苦しみながらつかんだ米1年目、26歳でワールドシリーズ制覇

スポーツ報知 2024年10月31日 13時25分

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース6―7ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、ドジャースが7-6で勝って4勝1敗でヤンキースを倒し、20年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。大谷はメジャー7年目で初めて出場したポストシーズンで一気に頂点まで駆け上がり、山本由伸投手(26)は、メジャー1年目にして歓喜の瞬間を迎えた。

 メジャー1年目、26歳という若さでワールドチャンピオンに輝いた山本。ワールドシリーズ第2戦では、7回途中1安打1失点という快投でチームを勝利に導き、チームに勢いをもたらした。パドレスとの地区シリーズでも、2勝2敗の第5戦の先発に抜てき。5回2安打無失点と試合を作ってリーグ優勝決定シリーズ進出に大きく貢献した。

 だが、順風満帆とはいかないメジャー1年目だった。初めて見た地獄はメジャー初登板での大乱調。3月21日に韓国・ソウルで行われた開幕2戦目のパドレス戦の先発に起用されたが、1回43球を投げて、まさかの4安打5失点でKOとなった。それでも2試合目の登板だった3月30日の本拠地・カージナルス戦では5回2安打無失点。修正力の高さを見せた。

 次に訪れた試練は6月。14登板で6勝2敗、防御率2・92と勢いに乗っていたが、6月15日の本拠地・ロイヤルズ戦で、2回28球を投げて、右肩痛を訴えて緊急降板となった。右肩を痛めて負傷者リスト(IL)に入り、約3か月間メジャーのマウンドから離れた。チームの方針もあってじっくりと治療に専念。シーズン終盤の9月に復帰すると、ポストシーズンでは貴重な先発の1枠に入り、チームに貢献した。

 ポストシーズンでも悪夢は待っていた。パドレスとの地区シリーズ第1戦の先発に抜てきされるも3回5失点でKO。初回にマチャドに2ランを浴びるなどして3点を失うと、2回に大谷の3ランで一度は追いついたが、3回に再び2点を失った。チームは結果的に勝ったが、悔しいマウンドとなった。大谷も「けっこう落ち込んでた」と心配するほどだったが、2勝2敗で迎えた地区シリーズ第5戦では5回無失点。大舞台での強さを見せた。

 「すごくやりがいはあります。本当にうれしく思いますし、チームの皆さんのおかげだなと思っています。この1年目でワールドシリーズを経験させてもらえるというのはすごく幸せに思いますし、僕は離脱している期間が長かったので、その期間も戦い続けて勝ち続けてくれたチームメートへの感謝がすごく大きいです」と話していた山本。大きな山を何度も乗り越えて、さらに成長を続けている。

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