中日の打撃担当コーチに就任した松中信彦氏が30日、愛知・名古屋市内の球団事務所で、就任会見に臨んだ。同じ九州出身で、現役時代から親交のあった井上新監督からオファーを受け、「びっくりした。引退して8年になるが、指導したい思いはあったので、やってやるぞという気持ちになった」と意気込んだ。
現役時代は、ダイエーとソフトバンクで19年間プレー。首位打者と本塁打王を2度ずつ、打点王と最高出塁率を3度ずつ獲得するなど、04年には平成唯一の3冠王に輝き、打撃タイトルを総なめにしてきた。06年のWBCでは4番に座り、第1回大会の優勝に貢献した。
2016年3月の現役引退後は、21年にロッテの春季キャンプで臨時コーチを務めた。契約を延長し、井口監督の下でシーズン終了まで臨時打撃コーチとして指導にあたったが、「ちゃんとユニホームを着て、1年間戦うのは初めて」と松中氏。妻や子どもたちを福岡に残し、名古屋での単身生活となるが、「妻にも『こういうチャンスはないよ』と言ってもらった。感謝している」と気を引き締めた。
チームには細川、石川昂ら、将来のドラゴンズを担う若き大砲がそろう。「選手とコミュニケーションを取りながらやっていきたい。バッティング技術もいくつか引き出しはある。選手に存分に伝えていけたら」と力を込めた。