◆プロボクシング ▽ミドル級(契約体重71・0キロ以下)6回戦 ワン・ダソン―緑川創(31日、東京・後楽園ホール)
元キックボクシング日本王者で37歳でプロボクシングのリングに立つ緑川創(つくる、EBISU K’s BOX)が30日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで行われた前日計量に臨み、リミットから100グラム軽い70・9キロで一発クリアした。対戦相手のワン・ダソン(中国)は700グラムアンダーの70・3キロでパスした。
計量後、取材に応じた緑川は「焦らず、今まで向き合ってきたこと、練習してきたことをしっかり出せれば。チャンスがあれば倒す? そうですね」と意欲を示した。キックボクシングでは2005年にデビューし、新日本ウエルター級王座、WKBA世界スーパーウエルター級王座などを獲得。K―1の元MAX王者アンディ・サワー(オランダ)などにも勝利した。昨年2月の引退試合では、シュートボクシングの海人に敗れたが、56勝(25KO)17敗10分け2無効試合の戦績を挙げた。
「キックは完全燃焼」と振り返ったが、「元々ボクシングはやりたかった」という。キック時代の21歳頃から、元WBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)スーパー王者・内山高志さんらから指導を受けていたこともあり、「やりたいなという気持ちがある中で人生を過ごすのは嫌」と、昨夏頃から再びプロボクサーとして始動することを決めた。B級デビュー(6回戦)で、12月で38歳になるが「計量が1年8か月ぶりなどで、懐かしいなという思いで…。ありがたみを感じました」と言葉に力を込めた。
対戦相手の印象は「ガッチリした体で打たれ強そう」と話したが、「キックで相当試合をしているので、思うことはあまりない」と冷静。元K―1王者の武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級(53・5キロ以下)王者となり、キックボクシングで“神童”と呼ばれた那須川天心(帝拳)がWBOアジアパシフィック同級王者になった。転向組が活躍する中、緑川は「世代が違うから」と控えめに話したが「彼らが盛り上げてくれているので」と、注目を力に変えて初陣に臨むつもり。「行けるところまで行きたい。強い人と戦いたいし、ベルトも取りたい」と夢を広げた。