斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選(17日投開票)が31日、告示され、過去最多の7人が届け出た。
パワハラ疑惑などの告発文書問題への責任などを問われ、県議会の不信任決議を受けて失職した斎藤氏は出直し選。2021年の初当選時は自民党、日本維新の会の推薦を受けた斎藤氏だが、神戸市内での第一声で約400人の声援を受けて「今回は一人でのスタート。うれしい」。県の貯金を約30億円から約130億円に増やした3年間の成果を強調。文書問題の経緯は詳しく説明しなかったが「文書問題で、多くの皆さんにご心配をおかけした。私自身しっかり見つめ直す」と謝罪した。失職4日後の9月30日に始めた街宣活動は「怖かった。勇気のいる一歩」と回顧しつつ「厳しい戦いですが『斎藤か、斎藤以外か』で私は負けるわけにはいかない」と声を強めた。
斎藤氏が選挙カーで去った直後、同じ場所に政治団体「NHKから国民を守る会」党首の立花孝志氏(57)が登場。「当選を目的としない選挙。私に投票しないで」と斎藤氏への投票を呼び掛けた。
一方、県政の刷新を目指す元尼崎市長の稲村和美氏(52)は「大切な兵庫県が、混乱と停滞の中にある。このままにしておけない」と現在の状況を危惧。自主投票を決めた最大会派自民党の一部、立憲民主党系会派の県議らが支援に回る。日本維新の会を離党した前参院議員の清水貴之氏(50)は「今の兵庫県の状態が対立、混乱。嫌でしょうがない。まずはこれを全力で解消していきます」と宣言。共産党推薦の新人の医師・大沢芳清氏(61)は「自由に話し合える環境をつくり、県政を正常化する」と述べた。
総務省によると、66年以降、知事への不信任決議が可決されたのは斎藤氏以外で4例。うち2人が出直し選に挑み、再選したのは02年の長野県知事選の田中康夫氏(68)だけだ。
◆兵庫県知事選
清水 貴之 50 無 新
稲村 和美 52 無 新
斎藤 元彦 47 無 前
大沢 芳清 61 無 新
福本 繁幸 58 無 新
立花 孝志 57 無 新
木島 洋嗣 49 無 新
【注】届け出順。年齢は投開票日