◆第49回社会人野球日本選手権▽1回戦 ミキハウス2―0ENEOS(31日・京セラD)
1回戦3試合が行われ、西部ガス(福岡)とTDK(秋田)、ミキハウス(大阪)が2回戦に進出した。ミキハウスは、元巨人の桜井俊貴投手(31)が5安打で公式戦初完封。オリックスのドラフト5位・ENEOSの東山玲士投手(24)に投げ勝ち、4強入りした2003年以来、19大会ぶり(11、20年は中止)の白星を挙げた。今大会を最後に退任するENEOS・大久保秀昭監督(55)は初戦で敗退した。TDKは1974年の第1回大会以来、48大会ぶりに勝利した。
公式戦初完封でつかんだ全国初白星に、ミキハウス・桜井は右手を突き上げた。2―0の9回に3連打で無死満塁を招いたが、一ゴロと見逃し三振で2死を奪い、最後の打者はフルカウントからの6球目。「最後はチェンジアップ。あのボールと心中しようかな。入らなかったら仕方ない」。空振り三振に仕留め、チームを19大会ぶりの初戦突破に導いた。
今年から現役に復帰し、7月の都市対抗で東京Dのマウンドに立ったが、東京ガスに7回2/3、5失点で初戦敗退を喫した。「何とか悔しい気持ちを晴らそう」。今大会の近畿地区最終予選では3戦連続で先発。大車輪の活躍で2度目の全国舞台に上がると、7回には150キロを計測。8回までわずか2安打で、オリックス5位の東山に“元ドラ1”の力を見せつけた。
巨人のスカウトとして最後の仕事が昨年大会だった。「ネット裏で、DeNAの度会(ENEOS)のホームランを見ていたので、変な感じがしますね」と苦笑した。その日に現役復帰をチームに伝えたという右腕が1年後、同じ京セラDのマウンドで主役となった。(瀬川 楓花)