歌舞伎俳優の尾上松緑が31日、11月1日に開幕する「十一月歌舞伎座特別公演 ようこそ歌舞伎座へ」(11月1~23日)で開催する特別企画をアピールした。
歌舞伎座に入ってすぐの大間(ロビー)の吹き抜けには、歌舞伎で欠かせない和傘が華やかに飾られ、各階ロビーには当月上演の「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」や「石橋(しゃっきょう)」にちなんだフォトスポット、実際に舞台で使用されるものと同じ小道具や大道具の展示、他にも場内を巡る「歌舞伎印巡(すたんぷらりぃ)」や土日限定のワークショップ「ようこそ小道具づくりへ」を開催する。
松緑は「初めて歌舞伎を見る人たちにも楽しんでいただけるように、(中村)虎之介さんも解説を楽しくつくっていますし、我々もベストを尽くして舞台を勤めます。今月の公演では、殊に若い人たちが頑張っていますので、若い人たちの活躍を見て応援してあげてほしいと思います」。自身が出演する「石橋」のフォトスポットを訪れ「普段の歌舞伎座の風情とはまた違うセッティングを歌舞伎座の人たちが作ってくれているので、そちらも楽しんでいただければ幸いです」とコメントを寄せた。
フォトスポットや小道具に実際に触れられるコーナーを体験した坂東亀蔵は「小道具ふれあい広場に鎧(よろい)があるのが、役者としてはうれしいです。実際に鎧を持ち上げていただいて、その重さを感じていただきたいですね。『こんなに重いものを着ているのに、重くないように芝居をしています!』と知っていただけたら」。中村歌昇は「『三人吉三』のフォトスポットにある駕籠(かご)ですが、実はこの駕篭は身体の大きさに関わらずこのサイズなんです。実際に乗ることができますので、ぜひ私たちと同じ気分を味わってみてください」と呼びかけた。
尾上左近は「歌舞伎座3階には歌舞伎の舞台にも登場するような茶店があります。今月は様々なフォトスポットがあってお楽しみいただけるかと思いますので、ぜひお写真を撮ってSNSにアップしていただいて、歌舞伎座をさらに盛り上げていただけますと幸いです」とコメント。中村萬太郎は「『ようこそ歌舞伎座へ』ということで、これまで歌舞伎をご覧になったことのない方にも楽しんでいただけるプログラムとなっております。もちろん、いつもご来場のお客様にもこれまでと違う体験をしていただくことができますので、ぜひお誘い合わせいただいてお越しください」と話している。
中村種之助は「ロビーにもいろいろと趣向を凝らした新しい歌舞伎座体験となっております。このような狂言立ても初めての試みですし、私たち若いメンバーも懸命につとめますので、エネルギッシュなひと月にしたいと思います」。中村福之助は「今回、『石橋』に出られることがうれしいです。歌舞伎座での毛振りは襲名披露の『連獅子』以来になるので、その時に教えていただいたことを生かして頑張りたいと思います」と気を引き締めた。
中村虎之介は「初めての方、いつも歌舞伎をご覧になっている方、若い方、海外の方、どなたでもお楽しみいただける公演で、さらにはお求めやすいご観劇料となっておりますので、ぜひご家族、ご友人お誘い合わせのもと歌舞伎座へお越しください」とアピールした。