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「藤井聡太七冠は令和ロマン」 将棋大好き芸人が観て楽しむ将棋を語る

スポーツ報知 2024年11月1日 14時6分

 将棋大好き芸人のランパンプス・寺内ゆうきが1日、自身初となる書籍「知るほど観たくなる将棋 ドラマティック将棋論」(扶桑社新書、1100円)を発売した。都内で合同インタビューに応じた寺内は藤井聡太七冠=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=をお笑いコンビ「令和ロマン」に例え、観(み)て楽しむ将棋の魅力を語った。

 将棋は観ろ、やりたくなったら指せ―。本書内にある見出しだ。このとおり、本書では将棋のルールも戦術も書かれておらず、”観る将“のための将棋を観るポイントがつづられている。

 完全プライベートで抽選に応募し、将棋タイトル戦の前夜祭に足を運ぶほどの”観る将“である寺内は「この本を読むのに将棋の事前知識はいりません。文字が読めれば大丈夫です」と笑う。「相撲観戦とかも、実際にまわしを巻く相撲ファンって少ないとは思うんですよ。草野球やってる野球ファンも少ないとは思うんです。なので、駒を持ったことない将棋ファンがもっと増えてもいいはず!『将棋って難しそう』とか『頭良くないとできないんでしょ』って思ってる人にほど読んでほしいって思ってます」

 自身もYouTubeの「よしもと将棋芸人 と金チャンネル」で観て楽しむ将棋コンテンツの発信を続けている。お笑いファンが将棋を楽しむには?という質問には「お笑い好きな人も、テレビでバラエティを見るのが好きなタイプの方と、実際にお金を払って劇場に来てくれるタイプの方、大きく分けて2種類がいらっしゃると思う。将棋のファンの方もインターネットやテレビで見て楽しむ方とイベントや現地に実際に足を運ぶ方がいる」と話し、「でもやっぱり僕は漫才やってる身からして、劇場で見るお笑いが1番面白いと思うんで、ぜひ将棋も何かイベントとかあったら参加して見てもらいたいな。体験すると魅力を感じやすいと思う」と呼びかけた。

 近日中の将棋界の観て楽しむポイントには現在開催中で棋界最高峰タイトル戦の竜王戦七番勝負(藤井竜王対佐々木勇気八段)をあげ、「恐れ多いですが…藤井聡太先生が若くしてタイトルをとりまくったっていう意味では令和ロマン。佐々木勇気先生がずっと天才と言われてきたけど、最近ようやく結果を出してタイトル挑戦となったという意味で、僕の同期でずっと面白いって思ってたやつが最近メディアに出始めたんで、ダンビラムーチョ」と令和ロマンVSダンビラムーチョの七番勝負であると例えた。

 恐縮気味に苦笑いしつつ「令和ロマン対ダンビラムーチョっていうとすごいあれなんですけど…。でも、ダウンタウンさんと誰々っていうレジェンドが戦ってるというわけではなく、新世代の若い世代の戦いなんだよと、その魅力が伝わればいいなと思います」と続けた。

 この日から、本は書店に並んでいる。「320ページってちょっと多いなって思うんで、目次を見て興味あるところを最初に読んでください。人生をかけて将棋に費やしている棋士の方々は本当にかっこいい。とっつきにくいことを全部抜かした本ではあるんで、将棋の本としては邪道だと思いますが、将棋がもっと広まればいいなと思います!」。将棋は入り口を広く開けて、みんなを待っている。そう思わせる本だ。(瀬戸 花音)

 ◆寺内 ゆうき(てらうち・ゆうき)1987年7月3日、千葉県成田市出身。36歳。東京学芸大卒。将棋アマチュア二段。小中高教員免許、保育士資格取得。

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