今季の学生3大駅伝第2戦、全日本大学駅伝は3日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴールの8区間106・8キロで行われる。出場27チームの1~8区と補欠の区間登録が1日、発表され、開幕戦の出雲駅伝(10月14日)で5年ぶり2度目の優勝を飾った国学院大の前田康弘監督(46)は連勝に向けて戦略の一端と抱負を明かした。
「序盤は、大混戦になるでしょう。特に2区にはレベルの高い選手が集まっています。出雲駅伝でトップ争いした駒大、青学大のほか、創価大、中大、東京国際大、早大も強い。絶対に序盤に乗り遅れないことが大事です。中盤から終盤はやはり、駒大、青学大がライバルになると思います」と前田監督は全チームのオーダー表を凝視しながら冷静に話した。その上で「我々はいい形で本番に臨めそうです。初の日本一に向けて気を引き締めていきます。そして、いい流れで箱根駅伝に臨みたいですね」と意欲を示した。
大学駅伝シーズン開幕の出雲路では、国学院大の平林清澄(4年)、駒大の篠原倖太朗(4年)、青学大の太田蒼生(4年)という3強のエースたちによるアンカー対決が実現。大阪マラソン(2月25日)で日本学生最高記録の2時間6分18秒で優勝した平林が無尽蔵のスタミナを見せつけて優勝のゴールテープを切った。大学駅伝連勝と、全日本大学駅伝初優勝を狙う国学院大は伊勢路でもエースで主将の平林が切り札となる。その平林は補欠登録。前田監督は「終盤の勝負区間で起用します」とエース区間の7区(17・6キロ)、あるいは最長の最終8区(19・7キロ)へ投入を示唆した。
6年ぶり3度目の優勝を狙う青学大の原晋監督(57)は「出雲駅伝と同じく国学院大、駒大とアンカーまで勝負がもつれるでしょう」と「3強」による熱戦を予想した。
今大会は国学院大、駒大、青学大の「3強」を中心に、出雲駅伝4位の創価大、同6位の早大、同7位の城西大、さらには今年の箱根駅伝13位で出雲駅伝には出場できなかった中大なども序盤に流れに乗れば優勝争いに加わる力を持つ。
全日本大学駅伝は2018年から区間割が大きく変更され、7区が2番目に長い17・6キロ、最終8区が最長の19・7キロとなった。駅伝は「先手必勝」が鉄則だが、主力選手を序盤の区間に投入するか、終盤の長い区間に残すか、各校の戦略も大会の見所となる。
大会ルールでは、出場各校が10月9日に選手16人を登録。その中から10月31日正午までに1~8区の選手と補欠5人を登録。レース当日の午前6時30分まで区間登録選手と補欠登録選手を3人以内、交代できる。