ドジャース・大谷翔平投手(30)が1日(日本時間2日)にロサンゼルス市内で優勝パレードに臨む。ヤンキースとの43年ぶりのワールドシリーズ(WS)を制し、球団4年ぶりとなる世界一に輝いてから一夜明けた31日(同1日)は同市内で準備が進められた。20年はコロナ禍だったため開催されなかったパレードは1988年以来36年ぶりに行われる。ニューヨークの辛口メディアや沸きたつLAの街の様子を中村晃大記者が「見た」。
ドジャース世界一の原稿を書き終え、ニューヨークの空港に向かった。「NYポスト」はヤンキースの敗戦を「世界の終わり」「ミスだらけの惨敗」などと伝えていた。ロサンゼルス到着後、「LAタイムズ」を見ると「WS第5戦は紙面が印刷された後に終了しました」と書かれている。「シアトル・タイムズ」など米各紙が名門対決のWSを詳報していた。
1日午前11時(同2日午前3時)からは優勝パレードが行われる。前回WSを制した20年はコロナ禍のため開催できなかった。1988年以来36年ぶりの大イベントで、舞台となるダウンタウンは超混雑が予想される。車社会のLAで「公共交通機関で来ることをおすすめします」と市や警察が呼びかけるほどだ。
ロサンゼルス市庁舎の前での出陣式からパレードはスタート。大谷ら選手たちが2階建てのバスに乗り、約1・6キロの距離を約45分間かけて走る。テレビはもちろん、現地9時開場の本拠地・ドジャースタジアムのモニターでもその様子は生放送され、同12時15分頃からは同球場で“祝賀会”が予定されている。
この日、場所の下見に行くと、スタート地点は球団スタッフらが音響の用意を進めていた。周辺の道路もすでに一部が封鎖されており、厳戒態勢が敷かれる様子だ。「LAタイムズ」などによると、敵地での世界一の瞬間はロサンゼルスの街に花火が上がるなどお祭り騒ぎ。一方で暴徒化した一部の市民がバスを燃やしたり、強盗を働いていたという。市民念願のパレードでお祝いムードに水を差すわけにはいかず、節度が求められることになる。
大谷はこの日、NYからLAに移動。ド軍の公式インスタグラムでは大谷らが機内でワールドチャンピオンのトロフィーを持つ写真が公開された。沿道から多くの声援をもらう一日もまた、忘れられない日になるだろう。(中村 晃大)