やはりと言うべきか、石破茂総裁率いる自民党が2009年以来の負けを喫して、公明党とともに過半数割れとなりました。少数与党となったわけです。11日から始まる予定の臨時国会での首班指名(総理大臣指名)選挙のために、早速裏金問題で非公認ながら勝った議員や、離党して勝ち上がった世耕弘成さんらを会派に戻して、人数稼ぎをしています。
そして、「手取りを増やす」と訴えて4倍の議席を獲得した国民民主党との政策連携を協議しています。国民民主は一貫して首班指名では「玉木雄一郎」と書くことを党内で確認しているので、仮に自民党の「石破茂」総裁と立憲民主党の「野田佳彦」代表との間で決選投票となった場合、決戦に残らなかった「玉木雄一郎」と書いた国民民主の票は無効になり、石破さんが総理になる公算が高いのではと臆測されています。
そうすると、なんだか結局はどっちつかずの選挙結果のように思えてなりません。ただ、私は少数与党という自公の立場は、対野党との国会運営には膨大な時間や労力がかかりますが、それなりの緊張感が生まれていいのではないかと、少しばかりの期待も持っています。
これまでの、(民主主義は数の力とはいえ)一強のいわば「やりたい放題」「声が大きければ何でもまかり通る」という政治の在り方に横車を押す形になって、丁寧な議論や交渉を余儀なくされるはずだからです。ただし、そうした政策協議は密室・密談にしないでいただきたいのです。
これ以上政治への失望感を肥大化させないためにも、そして今回の選挙で自分たちの「怒り」や「不信」が少しでも「カタチ」になったということで芽生えた政治への参加意識を踏みにじらないためにも、透明なプロセスを大切にして国民に見せてほしいと願います。(キャスター)