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出雲、全日本ともに国学院大、駒大、青学大、創価大、早大、城西大で同じ順番…青学大・原監督「箱根優勝争いは3強プラス創価大」

スポーツ報知 2024年11月3日 17時48分

◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(3日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 今季開幕戦の出雲駅伝(10月14日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)を制した国学院大が、伊勢路でも強さを見せつけ、5時間9分56秒で初優勝を飾った。19年と今年の出雲駅伝に続き、学生3大駅伝3勝目。エースで主将の平林清澄(4年)を中心に、第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、悲願の初優勝を目指す。1990年度の大東大、2000年度の順大、2010年度の早大、2016年度の青学大、2022年度の駒大に続いて、5校目となる3冠の偉業もかかる。

 5連覇を狙った駒大は28秒差の2位。2区終了時点で16位と苦戦していたが、エース区間の7区(17・6キロ)で篠原倖太朗(4年)、最長の最終8区(19・7キロ)で山川拓馬(3年)が連続区間賞を獲得し、意地を見せた。

 国学院大と45秒差の3位は青学大だった。4区(11・8)でエース黒田朝日(3年)が区間新記録の激走などで首位を快走。7区でも太田蒼生(4年)が、国学院大の平林と同タイムの死闘を展開し、アンカーの塩出翔太(3年)はトップでスタートしたが、区間15位と苦戦し、順位を二つ落とした。

 4位が創価大、5位が早大、6位が城西大だった。

 上位6校の順番は、出雲駅伝と全日本大学駅伝は全く同じ(出雲駅伝5位の米国アイビーリーグ選抜を除く)。学生3大駅伝最終戦の第101回箱根駅伝(来年1月2、3日、東京・大手町~神奈川・箱根町芦ノ湖往復=10区間217・1キロ)に向けて、青学大の原晋監督(57)は「優勝争いは3強(国学院大、駒大、青学大)プラス創価大でしょう」と話した。

 全10区間が20キロを超える長丁場。さらに山あり谷あり。タフな箱根駅伝で勝ち抜くためには四つのポイントがある。

 その1「エース」。1~4区でレースの流れに乗るためには一人ではなく、複数のエースが必要だ。

 その2「山」。上りの5区、下りの6区の特殊区間は箱根駅伝の特徴。スペシャリストが鍵を握る。特に10区間で最も競技時間が長い5区はより重要だ。

 その3「選手層」。7~10区の復路にどれだけ強い選手が残っているか、勝負の明暗を分ける。

 その4「ロード適性」。トラックの持ちタイムはあくまで参考に過ぎない。駅伝では「速さ」より「強さ」が求められる。

 今季2冠の国学院大は、ほぼ穴がない。

 往路の主要区間は、前回2区3位の平林清澄(4年)を中心に同3区4位の青木瑠郁(3年)、同4区4位の辻原輝(2年)が他校のエース級と対等に戦うことができる。前回は故障のため欠場した副将の山本歩夢(4年)も出雲駅伝ではVメンバーとして復活。全日本大学駅伝では6区区間新記録でMVPを獲得した。

 復路を担う選手層も厚い。前回7区7位の田中愛睦(2年)、同8区6位の鎌田匠馬(3年)、同9区7位の吉田蔵之介(2年)、同10区10位の高山豪起(3年)らが昨季より地力をつけている。

 山下りの6区は後村光星(2年)が前回の10位以上の走りが期待できる。「ポイントはやはり5区」と前田康弘監督(46)は話す。これまで、唯一の懸念材料だったが、前回5区17位と苦戦した上原琉翔(3年)が急成長。上原は「5区を任されたら、区間3位以内で走りたい。駒大と青学大の5区は強いので、差をつけられないようにします」と前向きに話した。

 2年ぶりの優勝を狙う駒大は、篠原倖太朗(4年)と並ぶエースの佐藤圭汰(3年)の復活が鍵を握る。故障のため、出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに欠場。藤田敦史監督(47)は「ある程度、走れるようになっています。箱根駅伝に佐藤圭汰が加わればレベルの高いレースができます」と話した。

 全日本大学駅伝8区で圧倒的な区間賞を獲得した山川拓馬(3年)は前々回は5区で4位と堅実に走った。2区、あるいは5区でポイントゲッターとして期待される。6区には前々回区間賞の伊藤蒼唯(3年)と前回12位の帰山侑大(3年)を擁する。

 2年連続8度目の優勝を狙う青学大は、前回のVメンバー8人が残る。さらに、前回は登録メンバーにも入れなかった鶴川正也(4年)が今季、覚醒し、出雲駅伝1区、全日本大学駅伝2区で連続区間賞。学生トップレベルの選手になった。前回2区区間賞の黒田朝日(3年)、前回3区区間賞の太田蒼生(4年)、そして、鶴川とエース級の破壊力は抜群だ。

 6区には前回2位と好走した野村昭夢(4年)が健在。前回5区で区間新記録の区間2位と力走した若林宏樹(4年)が前回並みに走れば、往路優勝、そして、総合優勝に近づくだろう。

 吉田響(4年)という爆発力があるエースを擁する創価大はレース序盤で流れに乗れば優勝争いに加わる力を持つ。バランスが整ったチーム力を持つ早大は上位進出の可能性を秘める。城西大は斎藤将也(3年)とヴィクター・キムタイ(3年)のダブルエースを中心に3強に挑戦する。

 「エース」「山」「選手層」「ロード適性」という四つのポイントは足し算で決まるが、これに「コンディション」という要素が掛け算される。国学院大、駒大、青学大の「3強」に大差はない。2025年1月2、3日に万全の体調でスタートラインに立つチームが「第101回箱根駅伝王者」の称号を手にすることができる。(スポーツ報知箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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