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国学院大3冠王手!アンカー逆転で全日本初V 前田監督「全員駅伝」エース平林だけじゃない!総合力で3大駅伝通算3勝目

スポーツ報知 2024年11月4日 6時0分

◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(3日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 今季開幕戦の出雲駅伝(10月14日)を制した国学院大が伊勢路でも強さを発揮し、5時間9分56秒で初優勝した。アンカーの上原琉翔(3年)が駒大、青学大と激しい3強対決に総合力で競り勝ち、今季2冠と3大駅伝通算3勝目を飾った。エースで主将の平林清澄(4年)を軸に、第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で悲願の初Vを狙う。史上6校目の3冠の偉業も目指す。28秒差の2位に駒大、45秒差の3位で青学大が続いた。(晴れ、17・5度、湿度68%、北北西の風3メートル=スタート10分前)

 速いというより強い。国学院大は地力で駒大、青学大に勝った。「全員駅伝の勝利です」。就任16年目で国学院大を伊勢路初Vに導いた前田康弘監督(46)は胸を張って話した。

 1区で嘉数がトップと2秒差の2位と好発進。主力区間の2区の青木と4区の高山は、青学大に後れを取ったが、4区終了時点で危険水域ぎりぎりの1分27秒差にとどめた。つなぎ区間の5区の野中は区間賞、6区の山本は区間新記録で青学大に4秒差に迫った。

 エース区間の7区では、主将の平林が青学大の太田蒼生(あおい、4年)に一歩も譲らず、4秒差のままタスキリレー。アンカーの上原は青学大の塩出翔太(3年)に競り勝つと、猛追してきた駒大を振り切り、伊勢神宮で初の優勝ゴールテープを切った。

 「中継所では太田に先着され、区間賞は篠原倖太朗(駒大4年)に取られた。ダブルパンチを食らいました。走り終わった後、悔し泣きしましたが、上原が勝ち切ってくれて、うれし涙が出ました」。平林は感慨深い表情で話した。

 出雲路ではアンカーの平林が篠原と太田を圧倒し、優勝したが伊勢路は違った。「誰か一人がヒーローではない。走った選手だけではなく、チーム全員の総合力で日本一になれました」と前田監督は満面の笑み。国学院大の部内ではこの1年、「打倒平林」の声が飛び交った。絶対エースを目標に全員で切磋琢磨(せっさたくま)。頭角を現した上原は、力強く先頭でゴールテープを切り「平林さんだけのチームではないと証明できた」と胸を張った。

 圧倒的な連勝。1990年度の大東大、2000年度の順大、10年度の早大、16年度の青学大、22年度の駒大に続く史上6校目の3冠に王手をかけた。前田監督は「一戦必勝。『3冠を狙う』とは言いません。『終わってみれば3冠だった』が最高です」と冷静に語る。出雲路から伊勢路。そして箱根路へ。国学院大は堂々と走り続ける。(竹内 達朗)

◆Vメンバーの声

 1区・嘉数純平(3年、区間2位)「冷静に走ることを心がけた」

 2区・青木瑠郁(3年、区間7位)「区間賞と10秒差以内で抑えたかったが(55秒差で)力不足」

 3区・辻原輝(2年、区間3位)「(区間賞と37秒差に)箱根では区間賞を取って、優勝したい」

 4区・高山豪起(3年、区間4位)「自分の仕事はできたが、100点満点ではない」

 5区・野中恒亨(2年、区間賞)「同じ5区で当日変更で外れた昨年の悔しさを晴らしたかった」

 6区・山本歩夢(4年、区間新、MVP)「エース区間を走らなければいけないのに、みんなが強すぎてつなぎ区間になった」

 7区・平林清澄(4年、区間2位)「副将の原秀寿の付き添いに感謝」

 8区・上原琉翔(3年、区間9位)「全員駅伝で勝ち切ることができた」

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