◆第14回みやこS・G3(11月3日、京都・ダート1800メートル、重)
第14回みやこS・G3(京都)はサンライズジパングが初対決の年長馬を撃破しJRA重賞初勝利を挙げた。フォーエバーヤングなど強豪がそろう3歳世代のレベルの高さを証明した。
メンバー唯一の3歳馬が、初対決の年長馬をなぎ倒した。サンライズジパングは鮫島駿のゲキに応えて勢いを増していく。徐々に先頭との差を詰め、アウトレンジを半馬身差で差し切ってゴールへ飛び込んだ。初コンビでJRA重賞初制覇に導いた鞍上は「非常にうれしいです。3コーナーから逆手前で手応えが悪くなったけど、直線になるとまた力を振り絞ってくれました。本当に頑張ってくれました」と晴れやかな表情で相棒をたたえた。
道中は無理せず中団の外めから追走。「3、4コーナーでは1列目にいたかった」という思惑通り、向こう正面から徐々にポジションを押し上げて4角3番手に進出。直線に向くとメンバー最速タイの上がり3ハロン37秒1の末脚で前の2頭をのみ込んだ。快勝の裏で「能力があるなかでも、まだ課題が残っている。将来性はあるなと思います」と伸びしろが大きいことを強調した。
昨年のホープフルSで3着と好走し、芝とダートの両方で勝ち星がある二刀流ホース。前走のジャパンダートクラシックは、レース中に脚をぶつけた影響で直線で失速した。この日、ブリーダーズCクラシックで3着のフォーエバーヤングに1秒2の差の3着。馬体に異常はなく、最終追い切りの後、音無調教師は「ここで勝たないと、チャンピオンズC(12月1日、中京)に行けない」と勝負仕上げで臨んだ。
優先出走権を獲得した冬のダート王者決定戦へ、鮫島駿は「同世代のライバルのフォーエバーヤングが(BCで)頑張っていましたし、レベルが高い世代の一頭。使うならチャンスはあると思います」。勢いそのままに昨年の覇者のレモンポップなど、さらなる強敵に立ち向かう。(山本 理貴)
◆サンライズジパング 父キズナ、母サイマー(父ゾファニー)。栗東・音無秀孝厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・追分ファームの生産。通算11戦4勝(うち地方3戦1勝)。総獲得賞金は1億4930万8000円(うち地方6380万円)。主な勝ち鞍は24年不来方賞・Jpn2。馬主は(株)ライフハウス。