◆卓球 全日本選手権カデットの部 最終日(3日、長崎県立総合体育館)
シングルス4種目の5回戦から決勝まで行われ、14歳以下の男子は平塚健友(14)=遊学館ジュニア=が初優勝した。決勝で立川凜(14)=愛工大明電中=に3―2で競り勝った。女子は高橋青葉(14)=木下アカデミー=が制した。13歳以下の女子は瓜生日咲(ひさ、13)が決勝で松島美空(みく、11)=京都カグヤライズ=を3―2で破って初V。男子は大野斗真(13)=野田学園中=が頂点に立った。
平塚は集中力を研ぎ澄ませてボールを拾い、勝利へのカウントダウンを進めた。「自分はメンタルが弱い。試合中は自分は負けてると言い聞かせた」。決勝の最終ゲームは相手に1点も与えずに11点を積み上げ、“ラブゲーム”で優勝が決定。「自分のプレーに迷いが出ていた時期もあったけど、この優勝で乗り越えられた」と胸を張った。
2年前にホープス(小学6年以下)の部で初の日本一に輝いたが、その後は思うような成績が出ず、この1年はバック面のラバーを変更して再び戻すなど、悩める日々が続いた。昨秋から週に1回、個人でトレーナーに教わり、体幹を強化。同じカット主戦型の憧れの存在で五輪4度出場の松下浩二氏から数か月に一度、直接アドバイスを受ける機会にも恵まれ、プレーの幅を広げてきた。
身長176センチのリーチを生かした守備範囲や攻撃力も強みだ。指導する遊学館高の植木大監督も「体格に恵まれていて、謙虚で素直。そのまま伸びて五輪を目指してほしい」と期待。平塚も「夢は五輪の金メダル。これからも目指していく」と誓った。(林 直史)