プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(大橋)がサウジアラビア最大のエンターテインメントフェスティバル「リヤド・シーズン(Riyadh Season)」と大型スポンサー契約を結んだことが4日、発表された。
尚弥は2日深夜(日本時間3日)にプライベートジェットでサウジアラビア・リヤドの専用施設に上陸。4日にサウジアラビア総合娯楽庁(GEA)のトゥルキ・アル=シェイク長官の元を訪れ、3日から続けた交渉で「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結したという。
尚弥は「キャリア後半に差し掛かってくる中で、モチベーションとなる契約ができた。非常に楽しみな契約だと捉えている」とコメントした。
「リヤド・シーズン」は、2019年にサウジアラビア娯楽庁が一大プロジェクトとしてたち上げた、同国国営のグローバルエンターテインメントプロジェクト。スポーツやコンサート、展示会などのイベントを通じて、国内外のエンタメ産業を活性化させることを目的としている。これまでにもサッカーのポルトガル代表C・ロナウドやアルゼンチン代表リオネル・メッシ、陸上短距離のウサイン・ボルト氏(ジャマイカ)やアーティストのジャスティン・ビーバーら世界的なビッグネームとのコラボを実現してきた。
尚弥は同イベントのアンバサダーにも就任し、12月24日、東京・有明アリーナで行われるIBF&WBO世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)との防衛戦から、トランクスのベルト部分に「リヤド・シーズン」のロゴをつけて試合を行うことになった。
トゥルキ長官は「『リアド・シーズン』のアンバサダーズになってもらうことで、この『リアド・シーズン』がいかに大きなイベントなのかを紹介していただきたい。さまざまなイベントに実際に出て、それがどんなものかを皆さんに紹介していただければ。25年に、井上選手に関するビッグプロジェクトを考えている。それを楽しみにしていただければ」などと説明。尚弥に対して「来年、こちらのサウジアラビアでビッグファイトをすること」を期待していた。
◆尚弥に聞く
―契約が合意した心境は?
尚弥「キャリア後半に差し掛かってくる中で、モチベーションとなる契約ができた。非常に楽しみな契約だと捉えている」
―「リヤド・シーズン」のアンバサダーという肩書きが付いたがどのような影響があるか。
「自分自身のボクシングに対する考え方もまた少し変わっていくと思う。日本、海外のリングでまた違ったものを見せていきたい」
―グッドマン戦で初めて「リヤド・シーズン」のロゴが入ったトランクスを履く。
「トランクスのロゴが変わるからといって僕のボクシングそのものが変わるわけではないので。そこは自分自身のボクシングを貫いていきたい」
―「リヤド・シーズン」のイメージは?
「詳しく見てきたわけではないが、限られた選手しかたどりつかない場所。誰しもが行けるステージではないと思っている」
―今後サウジアラビアで試合を行うことについてどう考えているか。
「そのあたりもタイミングになる。今年は試合が決まっているし、来年どうなるかはわからないが、タイミングによってサウジアラビアで試合ができれば。日本でやってきたパフォーマンスを出して、その期待に応え、やるだけ」