◆第103回全国高校サッカー選手権富山県大会・準決勝▽龍谷富山4-1富山第一(4日、高岡スポーツコア)
富山県大会の準決勝が行われ、龍谷富山が4-1で富山第一に快勝。9連覇中だった王者を撃破し、創部21年目で初の決勝進出を決めた。キャプテンでエース、横山旺世(3年)が、ハットトリックを達成。前半9分には相手GKのキックに飛び込んでカットすると、そのままループ気味のシュートで先制。後半31分にはGKの頭上を抜くロングシュート、同35分には豪快にネットを揺らした。カターレ富山U-15出身で、抜群の決定力を見せたFW横山は「やっと自分の目標だった富山第一を倒せて本当に嬉しい。この試合にかける思いは強かったので、勝ててほっとしています」と笑顔を浮かべた。
圧倒的な実績を誇る富山第一に対し、気迫のプレーで勝ちきった。センターバック2人が的確に富山第一の攻撃を阻止すれば、中盤の選手も相手のパスを予測して身体を寄せ、カットするシーンも連発。攻守の切り替えも早く、前線、中盤でフル回転するFW横山にパスをつなげた。時にはDFラインまで戻ってクリアしていた横山は、後半に足をつる場面もあったが「ハーフタイムに、キャプテンとして最後まで走りきろうと声をかけていた。自分の発言だったので、死にものぐるいで走りました」と、気持ちのこもったプレーでチームを引っ張った。
JFL・アローズ北陸のGKとしてプレー経験のある濱辺哲監督に加え、6月からは元カターレ富山のMF窪田良氏、同DF松原優吉氏がコーチとして加入。2人の指導の下、攻守の切り替えや守備の予測、中盤のセカンドボールの拾い方などを改善した。FW横山は「プロを経験しているだけに説得力があるし、いろんなことを吸収できた。富山第一が相手でも、慌てることなく自分たちの力を出せました」と感謝した。
決勝の相手となる富山東とは、県内のリーグ戦で今季は1勝1敗と互角の成績だ。濱辺監督は「お互いに手の内を知っている。しっかりと分析し、1週間で準備したい」と気を引き締める。富山第一に快勝した勢いをそのままに、初の全国の舞台を目指す。(中田 康博)