NEWSの小山慶一郎(40)が、「不惑」にして活躍の幅を広げている。2001年の入所から芸能生活24年目。10月期の日本テレビ系ドラマ「高杉さん家のおべんとう」(水曜・深夜0時29分)では、連続ドラマ初主演を務めている。2週連続インタビュー前編は「ずっとやってみたかった」と明かした連続ドラマや俳優業への思いを語った。
確かな思いが乗った言葉は、よく響いた。「お芝居は、ずっとやってみたくて」。01年に入所した小山にとって、連続ドラマ初主演のオファーは念願だった。
芸能生活24年目での初挑戦は「驚いたし、うれしかった」。ただ、それだけではなかった。「20年間この世界でやってきたので、責任を持って、自分がどれくらい力を注げるか。もう40歳ですし、『初主演おめでとう、頑張ります』ではないから」
キャリアを重ねてきたからこそ感じる重圧と責任。それらがうれしさと喜びと同居したが、さらに、その上から抑えきれない思いが重なった。「ゼロから作品を作ることは、一番楽しいことだと思う。それに携われることは、本当にうれしかった」
入念な準備を重ねるキャスター業とは異なり、現場に入ると、自然と役に入り込めた。現場となった一軒家でキャストやスタッフと昼食を取るなど同じ時間を過ごす中、自然と役柄になれた。
地理学研究で生計を立てるために奮闘している中で、突如として親を亡くした親戚の女子中学生の保護者になる主人公。頭全体、体全体が演じる役のこと、ドラマのことで埋め尽くされた。「むしろ、家に帰ってからが難しくて。生意気ながら役が抜けなくて、(相手役の平澤)宏々路(こころ)ちゃんにも相談したり。でも、それだけこの世界に、どっぷり漬かれているんだなって」
ただ、小山の顔は「俳優」だけではない。「そう。同時期にツアーも回っていたので、それは大変でした。演じた役柄はすごい地味でしたし、そこから急に、NEWSの小山慶一郎にならないといけない。その瞬間は、大変でしたね」。笑いを交えた表情は、充足感に満ちていた。
ドラマの話題が続くと、小山の姿勢は前のめりになり、言葉のテンポも速くなった。もっと、もっと。そんな思いが姿勢に、言葉に宿っていた。「お芝居ってメチャクチャ面白くて。自分のフィルターを通して他の人になる、こんなに面白いことがあったんだと。原作のファンの方の反応も本当にうれしくて、『あぁ、自分のお芝居が届いている』って」
そして、言った。「新しい扉が開いたと思う。40代でやりたいことって、芝居かもしれない」。その真っすぐな言葉は、部屋中に響き渡った。=後編に続く=(ペン・田中 雄己)
◆小山 慶一郎(こやま・けいいちろう)1984年5月1日、神奈川県出身。40歳。2001年に入所。03年、明大に入学。同9月、NEWSのメンバーとして「NEWSニッポン」でCDデビュー。07年の明大卒業時は模範卒業生に選ばれる。10~18年、日テレ系「news every.」にキャスターとして出演。現在は、フジテレビのバラエティー番組「NEWS小山のおしゃキャン!どう?」などに出演。血液型O。