「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(9~24日)に出場する侍ジャパンの事前合宿が4日、宮崎市清武総合運動公園で行われ、ライブBPに初登板した巨人・大勢投手(25)が圧巻の投球を披露し、ネット裏で視察した台湾の偵察部隊をビビらせた。また井端弘和監督(49)は、日本シリーズMVPに輝いたDeNA・桑原将志外野手(31)に、8日のチーム合流後の闘魂注入ミーティングを期待した。
まるで本番さながらの光景だった。南国の日差しを浴びながらSOKKENスタジアムのマウンドに向かう大勢に、客席のファンから歓声と拍手が送られた。3日の事前合宿初ブルペンに続き、初めてライブBPに登板。自己最速160キロには及ばない153キロの球速に「全然出なかったです」と首をかしげながらも、紅林、源田を右飛、五十幡を空振り三振、古賀を投ゴロと完ぺきに抑えた。
「相手はNPBの選手で、ライブBPということもあって真っすぐ中心に振ってくると思っていた。その中でも自分のいい真っすぐを投げられたら、空振りも取れていたのかなと思います。しっかり調整して、結果で恩返しがしたいです。抑えなので、打席には立てないので、MVPはとれないと思います。マジで」
井端監督に守護神を託されて、達成すれば日本初となるレギュラーシーズン&主要国際大会の胴上げ投手を狙う右腕は、照れ隠しの冗談を交えながら、圧巻の11球を振り返った。
侍ジャパンの絶対的抑えの投球をネット裏の席からチェックしていた台湾の偵察部隊も、状態の良さに驚きの声を上げた。スピードガンを持って見守った沈傑(シェン・ユーチェ)スコアラーは「大勢投手はみんなが知っている日本の有名なストッパー。直球は150キロ以上、スピードが出ていてすばらしい球を投げていた。フォークも鋭かったですね」と目を見張った。まずは1次リーグの16日に対戦予定(台北D)のライバルの007を、一足先に剛球でのけぞらせた格好だ。
打席に立ったチームメートも口々に絶賛。源田が「あの球の強さは日本でもトップじゃないですか。頼もしいです」と言えば、紅林も「久しぶりにあんな速い球を見ました。フォークもすごく揺れる。見たことのない球でした」と驚きを隠せない様子だった。
「球速は150キロは超えていましたが、まだまだ出ると思います。順調に来ている」と本塁付近で球筋を確認した井端監督も、満足そうにうなずいた。大勢は5日の広島との練習試合(SOKKEN)には登板せず、対外試合登板は最短で9日のチェコ戦(バンテリンD)の予定。開幕戦の13日のオーストラリア戦(同)に照準を合わせて、仕上げにかかる。(阿見 俊輔)