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近藤欽司氏「石川さんの経験値を子供たちに」 石川佳純さんを14歳で代表抜てきの恩師がサンクスツアー開催の思いを明かす

スポーツ報知 2024年11月4日 21時1分

 卓球女子で五輪3大会連続メダリストの石川佳純さん(31)が全国各地を訪ねて卓球やスポーツの魅力を伝える「47都道府県サンクスツアー in 神奈川」が4日、横浜武道館で行われた。石川さんは県内の小中高生とレディース(女性の卓球愛好者)約80人への実技指導などを行い、一般観覧者を含め約900人が集まった。

 今回のサンクスツアーは神奈川県卓球協会100周年記念事業の目玉として企画された。県協会会長を務める近藤欽司氏(82)が昨年5月の就任時に「三本柱」の一つに掲げたのがサンクスツアー開催だった。近藤氏は「石川さんの経験値、特に“逆転の石川”というところを子供たちが受け止めて、これからに生かしてもらいたいというのが一番の狙いだった」と意図を説明した。

 近藤氏は1993年から2008年まで女子日本代表の監督を務め、08年世界選手権団体戦で当時14歳の石川さんを代表に抜てきしたことで知られる。イベントでは両者の対談も行われ、近藤氏は09年世界選手権個人戦2回戦での大逆転勝利や20年全日本選手権での5年ぶり女王奪回など、現役時代の石川さんの不屈の戦いぶりを紹介。参加者に「絶対に諦めちゃいけないという、皆さんたちにも教訓になると思う」と伝えた。

 また、サンクスツアーは実技指導を小中学生を対象に実施することが通例だったが、レディースまで幅広い年代が参加する形を取った。「みんなで話し、今まで支えてくれた人たちがその年代だから、その人たちにも恩返しをしようと。そういう考えだった」。当初はレディース枠は10人だったが、石川さんからの提案で20人に増やした経緯も明かした。

 神奈川県協会は100周年を機に、協会内の世代交代を進め、情報発信の強化にも取り組んでいる。今年度は日本協会への登録人口が約1万7500人で全国トップを記録。最も多い中学生年代が卒業後に卓球を続けられる環境作りのために、各地域を回っての講習や指導者の育成といった活動も進めている。

 近藤会長は今後に向けて「卓球をやりたくてもできない、指導者もいないという子が『じゃあ、もう辞めた』ということにならないように食い止めたい。全国で1番に満足せず、私の使命はこれを2万人にして、ダントツの登録者数にしたい」と思いを語った。

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