◆関西大学ラグビーAリーグ第5節・京産大56―14近大(前半28―7)(4日・たけびしスタジアム京都)
リーグ3連覇中の京産大は8トライを奪って近大に56―14と快勝し、開幕5連勝とした。トンガ出身のNO8シオネ・ポルテレ(3年)=目黒学院=が3トライと大暴れした。同大は立命大に反撃及ばず開幕5連敗となり、8チーム中唯一の勝ち点0。2年連続入替戦出場の危機が迫る。
ポルテレが突破力を見せつけ、京産大の大勝を呼んだ。7―7の前半18分、ゴール前ラックからボールを持ち出すと、184センチ、112キロの巨体はタックルをはじき飛ばし勝ち越しトライ。後半2分は密集から抜け出し、約30メートル独走トライで相手の反撃の出ばなをくじいた。続く8分には味方をフォローし、3本目のトライ。大活躍に「悔しさを全部出そうと思った」と、この一戦にかけた思いを明かした。
4歳からラグビーを教えてくれた師匠でもある大おじ、フォヌアさんが10月中旬、病気のため60代半ばで他界。ポルテレは「大学を辞めようか」というほど大きなショックを受けた。オーストラリアで行われた葬儀への参列はかなわず。前節・立命大戦(10月20日・エコパ)は欠場した。だが、大おじへの最大の恩返しは、やはりラグビーだった。
復帰戦で気迫のハットトリック。「日本代表のナンバー8になる」と夢をもつ21歳が、京産大をリーグ4連覇、悲願の大学日本一へけん引する。(田村 龍一)
〇…同大は22年最終節の勝利を最後に、リーグ12連敗となった。優勝最多48度の名門が昨季7戦全敗、今季も5連敗。同じく全国大学選手権出場の可能性が消滅している立命大を相手に前、後半1人ずつ反則で一時退場者を出すなど、規律を欠き、逆転ならず。敗戦ごとに入替戦行きの可能性が高まる。ゲームキャプテンのSO村岡麟太郎(4年)=東海大大阪仰星=は「同志社の未来のために、しっかりやっていきたい」と前を向いた。次節・関大戦(24日・天理親里)で連敗を止めるか。