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プロ7年目で自己最多104試合出場!西武25歳外野手が秋季キャンプで口にした来季への覚悟

スポーツ報知 2024年11月10日 10時0分

 各担当記者の推し選手を紹介する「推しえて」第14回は、西武・西川愛也外野手(25)。17年ドラフト2位で入団し、プロ7年目の今季は自己最多の104試合出場と飛躍。71安打、6本塁打、31打点はいずれもキャリアハイの成績を残したが、一方で打率は2割2分7厘にとどまった。宮崎・南郷で秋季キャンプ中の主軸候補が来季に懸ける強い覚悟を語った。(取材・構成=大中 彩未)

 西川にとって充実感と悔しさが入り交じった7年目のシーズンだった。自己最多の104試合に出場。それでも打率は2割2分7厘と、満足はできない。

 「試合数は結構ガーンと上がって(試合に)出させてもらったんですけど、やっぱり打率とか数字を見ていくと、まだまだ課題があるし、レギュラーにはほど遠いなっていうのは感じました」

 開幕1軍を勝ち取り3月29日の楽天との開幕戦(楽天モバイル)では8回の守備から出場。9回に回ってきたシーズン初打席では右前安打を放ち、上々の滑り出しを決めた。だが、その後は結果を残せず4月25日に2軍落ち。5月21日に再昇格して以降、終盤は3番に定着。1度も離脱することなくシーズンを走りきったことには一定の手応えもあった。

 忘れることができない試合がある。9月10日の日本ハム戦(エスコン)。相手先発は伊藤大海だった。1回1死三塁で空振り三振に終わると、3回2死一、二塁でも空振り三振と、2度好機でともに凡退。試合は0―1でサヨナラ負けだった。

 「僕がどこかひとつでも打っていたら勝ってたんですよ。ピッチャーにめっちゃ申し訳ないなと」

 シーズン中、成績が上がらずもがいている時に変わるきっかけをくれたのは、1学年上の投手だった。

 「今井さんは思い切って(フォームを)変えて良くなったと。思い切って変えた方がいいよって言われて」

 それまで、後ろ側の左半身主導になっていたバッティングを右半身主導にしようと決意し、改善に着手。数も覚えていないというほどひたすらバットを振り体に染み込ませた。

 「置きティーだったら(ボールを)置く位置をあえてちょっと遠めにして。ちょっと泳ぐぐらいの意識で。タイミングが合わない限り、どんなにいいスイングをしても打てない。まずタイミング、どんなピッチャーが来ても同じタイミングで打てるように。練習から後ろに差されないように、なるべく前で前でというとイメージで」

 高校時代の経験も今につながっている。3年夏の甲子園で優勝後プロ入りまでの期間、通称“徳栄ビーチ”と呼ばれるグラウンドの左翼から右翼へのポールの間に設置された“砂浜”を「頭おかしくなりますよ(笑い)」というくらい走り込み下半身を鍛えた。

 「あれで結構、太ももは強くなりましたね。やって良かったです。でも、一番鍛えられたのはメンタルです」

 高校を卒業して7年がたった今も岩井隆監督とは連絡を取り合う。「トップを早く取れ」などと、打撃面でも気になったことを伝えられることもあるという。 「今でもだいぶ怖いですね。オーラがまじでやばいです。電話越しでも背筋がシャキっとなりますから(笑い)」と、恩師からの激励も原動力だ。

 打撃での理想は「長打も軽打もできる、両方いけるバッティング。早いカウントは思い切って強い打球を、追い込まれたらしっかりミート」。安打の延長線上に本塁打があるという考えだ。

 監督、コーチ陣が一新し迎える来季の目標は決まっている。

 「もちろんレギュラー。センターは西川だと言われるくらいの活躍をしたい」

 秋季キャンプでは全体練習後、連日遅くまでバットを振り込み汗を流す。強い覚悟で秋を過ごし来季に勝負をかける。

 ◆徳栄ビーチとは 花咲徳栄が初優勝した2017年の夏の甲子園後に野球部のグラウンドの一角に造られた。全長約180メートルほどの“砂浜”。左翼ポールから右翼ポールまで砂が敷き詰められている。岩井監督の「海がなく、砂浜もないのが、埼玉が甲子園でなかなか勝てない要因だ」という考えから設置された。足腰の強化と、冬に足袋を履いて練習する際の疲労骨折の防止が目的。

 ◆西川 愛也(にしかわ・まなや)1999年6月10日、大阪府生まれ。25歳。花咲徳栄では2年春夏、3年夏の甲子園で優勝。2017年ドラフト2位で西武入団。181センチ、87キロ。右投左打。今季年俸1100万円。

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