巨人の浅野翔吾外野手(19)が9日、今オフに単独自主トレを検討していることを明かした。秋季練習中に阿部慎之助監督(45)に相談を持ちかけ、了承を得た。若手としては異例の試みとなるが、現役時代に単身自主トレを経験した指揮官から「いい精神修行にもなる」「孤独の時間を作れ」など、約10分にわたって金言を授かった。決意がにじむ“独り立ち”から勝負の3年目へ向かう。
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驚いた。フリー打撃中、G球場の外野で阿部監督と浅野の約10分間の青空会談を内野スタンドから見ていた。てっきり指揮官が声をかけたのかと思った。浅野が自ら直撃していたとは…。
オフの単独自主トレ検討について自ら意見を求めた高卒2年目の19歳。さらに阿部監督によると「監督に使ってもらうためにはどうしたらいいですか?」との質問もあり、「打ちゃいいんだよ」と返したという。
勇気ある思い切った行動にも映るが、阿部監督は貪欲な姿勢を大歓迎した。「監督と思ってないんじゃないの」と笑いながら、「そういう世の中になってきているのかもね。監督像っていうか。近寄りがたいとか、そういうのも時には必要かもしれないけど、今の時代だったら相談に乗ってあげるとか。そうやっていかないと」と受け止めていた。
浅野については「途中から頑張っただけで、1年通して頑張ったかっていったらね」とシビアな目も忘れず、さらなる飛躍を期待する。シーズン中から若手に寄り添い、選手との距離が近い。令和風の監督っぽくない監督。4年ぶりリーグ優勝の原動力になった風通しの良さが見えた。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)