◆世田谷246ハーフマラソン(10日、東京・世田谷区駒沢オリンピック公園陸上競技場発着=21・0975キロ)
青学大の安島莉玖(1年)が1時間2分55秒(記録は速報値)で優勝した。2位は平松享祐(2年)で1時間2分57秒、3位は中村海斗(2年)で1時間2分58秒、4位は佐藤愛斗(1年)で1時間3分7秒、5位は本間創(2年)で1時間3分21秒。上位5人まで青学大が占めた。
今大会は、第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する各校でメンバー選考会としての意味合いが強く、学生ランナーは「箱根への道」に向けて力走。その中で、今年1月の第100回箱根駅伝(1月2、3日)を大会新記録で制し、連覇を狙う青学大が強さを見せつけた。
「箱根駅伝への登竜門」とされる今大会を青学大の期待のルーキー安島が制した。初のハーフマラソンを力走した安島は「思ったより、走れました」と冷静に話した。
先週の全日本大学駅伝(11月3日、名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)で安島は当初、5区(12・4キロ)に起用される予定だった。しかし、5日前に右太ももに違和感を覚え、自らメンバー交代を申し出た。「チームのために走りたい気持ちを抑えました」と明かす。チームは国学院大、駒大に敗れて3位。東京・町田市の選手寮でテレビ観戦したレースをい「悔しかったですね」と静かに振り返る。1週間のスライド出場で体調を戻り、この日の快走につなげた。箱根駅伝に向けては「8区を走りたいです」と意気込みを明かした。
青学大が上位5人を独占。いずれも下級生の伸び盛りだ。原晋監督(57)は「今大会の上位選手は前回の優勝メンバーの塩出翔太(8区区間賞)、倉本玄太(9区区間賞)、宇田川瞬矢(10区区間2位)と同じレベルまで仕上がってきました」と、前回の復路で活躍した選手と同等の評価した。
同日開催の岩手・宮古市の宮古サーモン・ハーフマラソンでも青学大勢が好成績を残した。前回の箱根駅伝で優勝のゴールテープを切った宇田川が1時間2分37秒(記録はいずれも速報値)で優勝。前回の箱根駅伝1区9位の荒巻朋熈(3年)が1時間3分38秒で2位、エースの黒田朝日(3年)の弟の然(1年)が1時間3分47秒で3位、喜多村慧(4年)が1時間4分14秒で4位、駿河台大の徳本一善監督(44)の長男・陽(1年)が1時間4分17秒で5位と上位を独占した。
前哨戦の出雲駅伝(10月14日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)、全日本大学駅伝は、いずれも3位。箱根駅伝で巻き返しを図る。「箱根駅伝に向けて順調です。あと1か月半で、さらにワンランク上げていきたい」と原監督は意欲的に話した。選手層に分厚さを増した青学大は、箱根駅伝連覇へ勢いを取り戻している。